ペットと飼い主を避難誘導。ペットの資格「ペット災害危機管理士」とは
災害時は人間もペットもパニックになる可能性が高くなります。事前にシミュレーションしておかなければ、最悪の場合ペットが命を落としてしまうことも考えられます。大切なペットの命を守るためには、どのような対策をしたら良いのでしょうか?
今回は、災害時に大切なペットの命を守る「ペット災害危機管理士」の資格についてご紹介します。
災害時のペットについて
環境省では、災害時にペットと同行避難することを推奨しています。
これはペットが衰弱・死亡するのを防ぐだけではありません。飼い主と離れ離れになったペットが人に危害を加えたり、繁殖したりして、環境が悪化するのを防ぐ目的があります。
災害時にはリード(ハーネス)・水・ペットフード・食器・キャリー・タオル・救急用品・排せつ用品・狂犬病予防注射済票(犬の場合)・ワクチン接種証明書を持って、一緒に避難しましょう。普段からこれらをまとめておくと安心です。
避難所での生活にも注意しなくてはなりません。過去の災害では、避難所で犬が放し飼いにされていたため周りの被災者に迷惑がかかった、しつけがきちんとされていなかったために無駄吠えで苦労した、というケースがありました。
しかし、災害時に適切な対応がとれる自信がないという飼い主も多いのではないでしょうか?そのような方には、「ペット災害危機管理士」の資格取得がおすすめです。
ペット災害危機管理士とは?
ペット災害危機管理士とは、災害発生時にどうやってペットを守ったら良いのかを学べるペット資格です。トリマー・ペットシッター・動物看護師・ペットホテルスタッフなどの職業に就いている方はもちろん、ペットを飼っている全ての飼い主に役立ちます。
災害について学び、グループワークで実際にシミュレーション体験をすることで、緊急事態が起こったときでも冷静に対応できるようになるでしょう。
ペット危機管理士のレベル
ペット危機管理士の資格は1~4級に分かれていて、2級までは1日で講座と試験を受けられます。それぞれのレベルの級で身につけられることと、カリキュラムの1部をご紹介します。
4級では基礎知識を習得
4級では、ペットの身を守るための基本的な危機管理・防災知識を習得します。
講座ではスライドショーで大震災直後の被災地や避難所での様子を振り返ったり、ペットとの避難方法を確認したり、大災害をシミュレーションしたりと、さまざまな方法で知識を学びます。その他、災害時の避難アイテムの体験もできるため、基礎的な知識をしっかりと身につけられるでしょう。
3級では避難について学ぶ
3級では4級で学んだ危機管理の知識に加え、非常事態の避難に関する知識を習得します。
カリキュラムには、避難想定・ペット同行避難時のポイントやルール確認・ペット同行避難訓練といったものがあります。
2級では社会的な責任も学ぶ
2級で習得できるのは、4級と3級の知識に加え、人や社会への責任を理解して行動できる能力です。
避難所を想定したシミュレーション体験や、自治体の防災対策関係者の講話聴講によって理解を深めます。
1級では指導者としての能力も身につける
1級を取得するためには、他の級とは異なり1泊2日の研修が必要です。危機管理や避難に関する知識を深く学ぶ他、指導者としての活動や、避難所で運営補助ができるようになるための能力を身につけます。講座では東日本大震災での出来事を学び、災害復興に関わる講師から話を聞きます。
おわりに
災害はいつ起こるのか分かりません。ペット災害危機管理士の資格講座では、ペットと一緒に災害を乗り切るための知識を基礎から学ぶことができます。一般の方はもちろん、ペット関係の仕事をしている方なら業務に活用することもできるため、おすすめです。
短い期間で取得できる資格ですから、ペットのことで災害時に不安がある方は取得しておくと、いざというときに安心でしょう。
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