2016.09.02食事

老犬の食事に必要な栄養素は？シニア犬が元気に過ごすためのおすすめ食材

犬も人間と同様、歳を重ねると消化機能が弱くなり、食欲が低下してしまうことがあります。一般的に、7歳以上がシニア犬用フードへの切り替え時期だといわれていますが、ウンチが柔らかくなっていたり、ゲップやおならが増えてきたり体調の変化が見られる場合は、消化吸収がしやすいシニア犬用の食事を検討してみましょう。

今回は、そんな老犬の食事に必要な栄養素やおすすめ食材、食べさせ方の工夫についてご紹介します。

必須栄養素はバランスを取りながら

老犬になると運動量が低下するため、食事は低カロリーで栄養価の高いものが理想です。

老犬の健康維持に必要な栄養素は、良質なタンパク質とブドウ糖、次に脂肪とビタミン、そしてミネラルです。

動物性タンパク質が多く含まれる肉は、犬にとって消化吸収がしやすい食べ物で、筋肉を作るために必要なアミノ酸も豊富に含まれています。年齢を重ねるにつれ減少しがちな筋肉を新たに作るため、肉は高齢になってもメインで食べさせてあげたい食材です。

そしてブドウ糖は、脳を働かせるエネルギーとなる栄養素です。消化吸収が良いため、老犬には食事で必ず補給させてあげましょう。脂肪は犬の体を作る栄養素で、活動のエネルギー源にもなります。脂溶性ビタミンを体に運ぶ働きをするため積極的に摂取したい栄養素ですが、肝機能が低下している場合は与え過ぎないように気を付けましょう。

ビタミンとミネラルは体の調子を整える効果がありますが、体内で作り出すことができない栄養素です。必要な量はごくわずかですが、バランスを意識して食事の中で与えることが大切です。

最後に、栄養素としては含まれていませんが、老犬は脱水症状に陥りやすいため水分補給をこまめにする必要があります。

トッピングで不足しがちな栄養素を補う

シニア犬は成犬に比べて食べる量が減る分、より効率的に栄養を吸収できる食事に切り替える必要があります。シニア犬用のドッグフードやサプリメント、手作りフードなどを利用したり、必要な栄養素が含まれる食材をトッピングしたりして効率よく栄養摂取できるよう工夫しましょう。

トッピングにおすすめの食材には、タンパク質が摂取できる鶏肉や豚肉、そして鶏や豚のレバーです。牛肉や牛すじの他、ラム肉やうなぎ、白身魚、青魚、おからや豆腐などがあります。肉類は細かく切って、味付けせずに茹でて与えます。

また、青魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、生活習慣病を予防する作用が期待できるといわれています。

食物繊維やビタミンが豊富なきのこや海藻類、カロテンやビタミン、カルシウムが豊富な緑黄色野菜もトッピングにおすすめです。細かくカットし茹でて与えると、栄養と同時に水分補給することもできます。

このとき肉と野菜のバランスは7対3程度になるように見た目を整え、完全に冷ましてから与えるのがポイントです。

食欲をアップさせるには？匂いを強くして食べやすくなる姿勢を意識しよう

シニア犬の食欲が低下する理由の1つとして、嗅覚や味覚の機能が低下していることが挙げられます。そんなときは食事のにおいを強めるために少しだけ温め、ドライフードの場合はぬるま湯でふやかして、完全に冷ましてから与えます。時間短縮のためにお湯でふやかすとドッグフードの栄養素を破壊してしまうため、必ずぬるま湯で行うようにしましょう。

この方法は脱水症状の防止にも効果があります。シニア犬になると喉の渇きを自覚しにくく水分を取らなくなる場合もあるため、食事でも水分補給できるように工夫しましょう。

おわりに

シニア犬の健康を維持するために、食事はとても重要な要素です。肉に含まれる良質のタンパク質やブドウ糖は特に大切で、脂肪やビタミン、ミネラルは摂取量に注意する必要があります。

肉も野菜も茹でてドライフードにトッピングすると、消化しやすく一緒に水分補給することもできます。それでも食欲がわかない場合は、食事の体勢を工夫したり、フードを温めて香りを引き立てたりなどの工夫をしてみましょう。

シニア犬に必要な栄養素を調合した、シニア犬用フードや、サプリメント、栄養補助食品を使用することで、健康維持に必要な栄養を摂取することができます。またフードをしっかり噛むことによって、歯垢が沈着しにくくなり歯の健康の維持も期待できるでしょう。

また、老齢性変化に伴い内臓の機能低下や、関節炎、心臓病をわずらう犬も少なくありません。そんな犬のために、特別に調製された嗜好性の高い食事療法食を与えてみるのも良いでしょう。このような食事療法食によって、歩き方や走り方がよりスムーズになったり、遊びなどでより活動的になったり、楽に階投を昇り降りするなど、疾患を持った犬に役立つことが臨床的に証明されています。

愛犬の年齢、体調に合った栄養を取れるよう、適切な食事を心掛け、元気なシニア期を迎えましょう。