犬も猫も高齢化する時代!気を付けるべき心臓病について知ろう
動物医療もどんどん進歩しているため、10年前と比べると、犬も猫も寿命がどんどん伸びています。
高齢期の愛犬や愛猫では、人と同様に心臓に問題が出ることがあり、言葉で訴えることができないために見つかった時には重症になっているというケースも日々の診察では多く経験しています。
この記事では、犬と猫それぞれに多い心臓病について解説し、必要な検査やおすすめのサプリメントについて紹介します。
犬と猫に多い心臓病とは?
心臓病と言っても犬と猫では病気の種類が違います。
まずはそれぞれの心臓病の特徴を見てみましょう。
犬の「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」
中高齢の犬に最も多いのは僧帽弁閉鎖不全症という心臓病で、小型犬種で診断されることが多いです。
心臓の中にある僧帽弁(そうぼうべん)と呼ばれる部分が、しっかりと閉じなくなるために、血液がしっかりと全身に送られなくなる病気です。
保険会社の統計では、マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズー、キャバリアに多いとされていますが、他の小型犬種でも発症していることは多いです。
原因は歯周病から血液中にばい菌が入り、その菌が心臓の弁に付着して、弁を変形させてしまうこと、などが挙げられていますが、原因不明であることも多いです。
症状は、初期では何も無いことが多く、「あまり遊ばなくなったな」「若い時に比べるとさんぽでも走らないな」など、加齢による変化と思われていることもあります。
咳が出始めたり、明らかに散歩で疲れた様子が出る、ハアハアと呼吸が荒いなどの症状があると、それは心臓病の可能性があります。
僧帽弁閉鎖不全症の検査で必要なのは、以下の通りです。
- 聴診
- 胸部レントゲン
- 血圧測定
- 心エコー検査
- 心電図検査
- 血液検査(腎臓の値や、BNPなど)
猫の「肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)」
猫の心臓病で多いのは肥大型心筋症と言われる、遺伝的な病気です。
心臓の筋肉が異常に分厚くなってしまう病気で、やはり心臓から全身へ血液を送り出すことが、うまく出来なくなってしまいます。
犬の心臓病と違って、猫の肥大型心筋症は遺伝的な素因が大きいため、若いころからでも発症します。
オスに多く、メインクーンやノルウェージャンなどの大型猫種、そしてスコティッシュフォールドやマンチカンにも多い傾向がありますが、もちろん雑種の猫やメスでも発症することはあります。
しかし猫は症状を隠すのがとても上手なため、しっかりと飼い主様が猫の異変に気づくときは重症になっていることが多いです。
症状は、開口呼吸や、運動を嫌がる、食欲不振などが多いです。
無症状で健康診断などで見つかることも多いですね。
検査では犬の心臓病とほぼ同じですが、血液検査は心筋トロポニンという指標を出すことが多いです。
- 聴診
- 胸部レントゲン
- 血圧測定
- 心エコー検査
- 心電図検査
- 血液検査(腎臓の値や、心筋トロポニンなど)
犬と猫の心臓病で大切な3つのこと
犬も猫も心臓病でも長生きすることは出来ますので、早期発見、早期治療、生活習慣の見直し、そしてサプリメントが大切です。
では具体的に何をすることが重要でしょうか?
3つ紹介していきます。
1)健康診断を受ける
犬も猫も言葉で伝えられないために、発見が遅くなることが多いので、定期的な検診をうけていただくのが良いでしょう。
犬の心臓病は聴診だけで発見されることが多いですが、猫の心筋症は聴診だけでは発見できないことも多いので、心筋症が出やすい猫種の場合には、心エコー検査や心筋トロポニンの測定を行うことをおすすめしています。
2)生活習慣を整える
生活習慣というよりは、食生活と運動量と言った方が分かりやすいかもしれません。
高齢でも元気でいる犬猫に大切なことは以下の通りです。
- 太り過ぎない
- オヤツは控え目にする
- 総合栄養食をしっかりと食べる
- 抗酸化物質も適切にとる
- 運動をして筋肉を減らさない
運動といっても、筋肉を無理に増やすような負荷をかけるものではなく、散歩や室内遊びの時間を毎日しっかりと確保してあげることが大切です。
3)犬猫の心臓病にお勧めのサプリメントは?
上記の項目でも書いた通りに、抗酸化物質をとることは犬猫でもとても大切です。
これによって、血管の老化を防ぐ効果が期待されていますし、抗炎症効果によって関節炎が軽減されるというデータもあります。
抗酸化物質の代表としてはポリフェノールやオメガ3脂肪酸などが有名です。
以下に代表的なサプリメントを紹介します。
スケアクロウ -パンフェノンS-
【引用】犬猫用 スケアクロウ パンフェノンS 16.8g(140mg×120粒) (心臓の健康をサポート)
原材料であるフランス海岸松樹皮抽出物はプロアントシアニジンというフラボノイド(ポリフェノール)が含まれており、さらに発酵ゴマ抽出物としてセサミンが含まれています。
これらの抗酸化物質により、心臓や血管の健康を維持する効果が期待できます。
モエギキャップ
【引用】モエギキャップ 100粒 犬猫用
モエギイガイから抽出した脂肪酸(モエギイガイ非極性脂質)が主成分であり、カプセルタイプでは魚油を加えることで高濃度ω3脂肪酸が追加されています。
これらの脂肪酸は抗酸化作用が期待できるため、心臓や関節の健康をサポートするのに役立ちます。
まとめ
犬猫の心臓病は原因の違いはあれど、症状がわかりにくく、何か変だぞ?と思う時には重症になっていることが多いです。
大切なのは定期的な健康診断と生活習慣の改善、そしてサプリメントで必要栄養素を補うことです。
犬猫も人と同じように健康寿命を伸ばしていきましょう。
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