愛犬のしつけは、褒める?叱る?どっちが良いの?
犬を初めて飼う方に多い悩みの1つに、褒めて育てるべきか、叱って育てるべきか迷うというお声をよく聞きます。
結論から言えば、その犬の性格によって効果的な方法は変わるため、褒めるのが正解で、叱るのは不正解ということでもありません。
もちろん暴力や身体的な苦痛を与えることは、どんな理由があっても不正解です。
犬は人のように話が出来るわけではないので、なぜやってはいけないのか、なぜダメなのかを話して聞かせても、一生理解してくれないところが子育てと違うところですね。
心の優しい人ほど、人への対応と同じように接してしまうために無駄吠えや甘噛み、トイレトレーニングが上手くいかないことが多いです。
まず愛犬のトレーニングで大切なのは、なぜその行動をしているのかを理解することから始めることです。
問題行動と決めているのは人間
噛みや無駄吠えが人にとって苦痛になるために、犬の問題行動といわれることが多いです。
しかしまず、大前提としてそれは人の都合によるものだと理解はしておきましょう。
吠えるのも噛むのも、本来は犬にとって普通で必要な行動です。
話すことができず、手を使うことができない犬にとって、吠えるのと噛むのは、大切な自己表現の手段であると言えます。
犬にも感情や欲求はあり、それを人に伝えたいと思っているので、唯一の表現方法である吠える、噛むという行動をとっているわけです。
相手が人ではなく、犬同士であったら大きな問題でもないのに、広くて隣人もいないような土地に済んでいれば吠えても何も問題がないことなのに、人に飼われているために、犬はそれらの行動を問題だと言われてしまう、ということですね。
もちろん、だからと言って犬が噛むことや吠えることを推奨しているということではありません。
犬が人の生活に合わせて、愛される存在になるためには、噛みや吠えは少ない方が良いでしょう。
しかし犬が噛む、吠えるということに対して、イライラが止まらない、ストレスがかかるという人もいるので、それは人の勝手な押し付けのせいだというのは理解しておいてください。
繰り返し褒める
犬は人とコミュニケーションを取りたい!と思っている愛すべき動物ですので、人にとって都合の良い行動をしてくれた時に、犬を褒めるということを繰り返していくと、その行動を強化してもっと行うようになります。
■褒めるタイミング
トイレを人のしてほしい場所でしてくれた時に褒める、それを繰り返していくうちに、その場所で排泄すれば褒めてもらえる!と解るようになってきます。
同じ理由で、散歩している時に、リードを引く人と目が合うと褒められる!と繰り返して経験していくと、散歩するときにアイコンタクトをとって歩ける愛犬になっていきます。
歩いている時に声をかけるとすぐに注意を人に向けてくれるので、危ない時や、散歩時の誤食の防止になります。
名前を呼ばれた時に人の近くに行くと褒められる!という経験を繰り返していくと、名前を呼ばれたら近くに来るということが習慣になるので、間違ってリードが外れてしまったときにもすぐに名前を呼べば近くに来てくれます。
■具体的な褒める方法とは
褒めるとは具体的にどのような動作をいうのでしょうか?
愛犬が嬉しい!と思う飼い主さんの行動の全てがご褒美となります。
つまり、自分を見てくれて、声をかけてくれて、ひと撫でしてくれる、実はそれだけでも十分に褒めて、ご褒美をもらっていることになります。
もちろん、大人になって人に褒められることに慣れてきてしまったケースでは、ご褒美としてオヤツやフードを使用するのも良いですね。
無視する方法
逆に人にとって不都合な行動をしてしまった犬にはどう対応するのが良いでしょうか?
「褒める」の逆、つまり無視という方法が推奨されています。
こちらを見てほしい!という根本的な欲求が犬にはあるので、人から無視されるような自分の行動というのは、コミュニケーション手段として良くないんだな、と解ってもらうまで続けるのがポイントです。
■要求吠えと甘噛みには無視を
よく無視や無反応という対応が有効とされるのが、要求吠えと甘噛みです。
要求吠えとは、吠えることによって自分の方を見てほしい、あるいはケージから出してほしい、ごはんが欲しいなど、何か人にしてほしい時に、吠えて伝えようとしている時です。
吠えたらこっちを見てくれた、吠えたらこっちに来てくれた、吠えたらケージから出られるし、ごはんがもらえる、と吠えると犬にとって良いことばかりがあるのであれば、犬はどんどん吠えます。
甘噛みも同様で、ちょっと噛んだらこっちを見て何か言ってくれるし、遊んでくれるし、楽しいことばっかり!、あるいは、嫌なことをされない!となると、どんどん甘噛みするようになります。
無駄吠えや甘噛みに対して、声掛けで「ダメよ!」と行ってみても、「こっちを見てくれた!楽しい!嬉しい!」と間違って成功体験にしてしまっていることがあります。
そのため要求吠えや甘噛みに対しては、無視や無反応を徹底しなくてはいけません。
吠えても噛んでも、人はこっちをみてくれないし、何も自分にとって良いことはない、ダメなコミュニケーション方法なんだ、と解ってくれるまで、とにかく吠えや噛みのタイミングでは無視します。
1カ月ほど続けているうちに、最初は一過性に行動が悪化するものの、少しづつ解ってくるケースが多いです。
叱る方法
人にとって望ましくない行動をとったときに叱る、という方法もあります。
性格によっては、叱ることによってより反抗的になったり、あるいは飼い主さんの興味が引けた!と勘違いして、問題行動が増えてしまうこともあるので、これは難しい面があります。
大きな音をたてて、飼い主さんが怖い顔をしている、何か良くない雰囲気になってる、と解るタイプの犬であれば効果的です。
逆に、叱られることによって恐怖心が強く出てしまって、攻撃性が出てしまったり、嫌なことは嫌!とはっきり言える反抗心の強いタイプの犬であれば逆効果です。
叱るというのは、本来は何が悪くて、何故それが悪いのかを話して聞かせる、という人同士の話して教えるというコミュニケーションが基本であるため、犬に実施することはできません。
叱るというよりは、大きな音や大きな声を出して、驚かせる、脅す、というのが正しい表現かもしれません。
お金をかける方法
どうしても愛犬の問題行動が酷い、吠えて噛んでイライラが抑えられないし、無視しつづけるのも無理だ、叱っても全く効果がない!というケースもあります。
そんな時にお勧めするのが、犬の幼稚園、犬の保育園と言われるようなトレーニング施設です。
このトレーニング施設の良い点は多く、まず犬が他の犬とのコミュニケーションを多くとれる、思いっきり走ったり、遊ぶことができる点です。
少しくらい吠えても問題にならないですし、その犬の性格に合ったトレーニングをプロから受けることもできます。
犬にとってもストレスの解消になり、飼い主さんにとっても吠えや噛みで疲れてしまっているなら離れる時間も大切でしょう。
しかしお金がかかります。
それでも犬にも良い影響が多いので、ぜひご検討ください。
松波動物病院の犬のキンダーガーテン(犬の幼稚園)では、ドックトレーナーが犬の言葉「ボディサイン」を読みながら、ドッグランで色んな犬と遊ばせるので、ケンカのサインも事前にキャッチ。
臆病なワンちゃんも少しづつ慣れていく事ができます。
また、年齢制限がないことから、多くの飼い主さまに幅広くご利用いただいています!
ワンちゃん同士で遊び合うことで友達も増えて楽しいですし、また健康チェックも行うので万が一のときは未然に病気を防ぐことも出来ます。
当院のキンダーガーテン(犬の幼稚園)でしかできないこと、一度体験してみてください。
見学会も毎日開催中ですので、名古屋市在住の方はぜひご検討ください。
まとめ
愛犬のしつけで、褒めるべきか叱るべきか、何が最適なのかは、その犬の性格によって大きく変化します。
お勧めされるのは、褒めることと無視することで問題行動を減らしていくトレーニングです。
叱るという方法が有効な犬の性格のケースもありますが、逆効果であることも多いので、注意が必要です。
どうしてもしつけが上手くいかずに息が詰まってしまいそう!というケースでは、犬の保育園や幼稚園のようなトレーニング施設を利用するのがお勧めです。
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