あくびなどのしぐさでわかる犬の気持ち。犬のカーミングシグナルとは?
犬は言葉を話せないかわりに、いろいろな体の動作で自分の気持ちを表現しています。あくびをする、尻尾を振るなど、それぞれのしぐさの裏側には犬の感情や意志が隠れているのです。
このようなしぐさは「カーミングシグナル」と呼ばれており、27個にも分類されています。
今回は、いくつかの代表的なカーミングシグナルをご紹介します。愛犬の気持ちを理解するため、ぜひ参考にしてみてください。
あくびをする
人は眠気を感じたときにあくびをしますが、犬のあくびは同じように眠気を感じているだけではありません。
もちろん、犬も疲れて眠いときなどにあくびをしますが、犬は緊張しているときにもあくびをします。あくびは犬にとって人間の深呼吸やため息の感覚に近く、不安や緊張を和らげるための行動です。なんらかの要因からストレスを感じている時、犬は心を落ち着かせるためにあくびをするのです。
そのため飼い主は、愛犬があくびをしていたら外的ストレスなのか疲れなのかを見極め、適切に対応してあげましょう。
顔をそらす
ほかの犬が近づいてきたときに、飼い犬がとっさに顔をそらしたりすることはないでしょうか。こうした何気ないしぐさにも、犬の気持ちは表れています。
この「顔をそらして知らん振りする」というしぐさは、相手に対して敵意がないことを伝えようとしているといわれています。犬同士が顔を背けながら近づいているときは、お互いに「なにもしないから心配しないでね」という気持ちを表しているわけです。逆に、直接相手を見るという行為は、犬同士ではなにか危害を加えようとしているしぐさと考えられています。
尻尾の振り方
犬がうれしいときに尻尾を振るのは一般的にも広く知られています。
しかし、尻尾を振る位置によってその意味合いは異なります。
もし尻尾を高い位置で振っているのであれば、それは何かを警戒しているサインかもしれません。尻尾を立ち上げて小刻みに振っている場合には敵意を持っていることも考えられるため、犬がこのようなしぐさを見せた場合には注意が必要です。
逆に低い位置で尻尾を振っているときは、恐怖を感じている可能性があります。このように、ひとつの動作でも表現したい気持ちによって微妙にしぐさが異なる場合があります。
伏せる、体を背ける
犬が体を伏せたり、体を背けたりするのは、相手を落ち着かせようとするサインです。
あいだに割って入る
犬はもともと群れで生活する動物です。あなたとほかの人や犬とのあいだに割って入るという行動は、相手が違う群れなので警戒してほしいという気持ちの表れです。群れの違う犬や人を牽制する意味を持ち、直接的な争いを避けるための手段でもあります。
一見すると、ヤキモチを焼いているか、かまってほしがっているようにも見えますが、飼い主を守り、注意を促す意図から表れる行動です。
おわりに
犬のしぐさに込められた意味は、人間が同じしぐさをしたときの感情と同じではありません。
言葉を持たない犬は、感情を相手に伝えるために決まったしぐさをします。犬同士はこのようなしぐさを通してコミュニケーションを図り、気持ちを伝えあっているのです。
犬のカーミングシグナルはほかにもたくさん解明されています。ひとつでも多くのカーミングシグナルを理解して、犬の気持ちをくみ取ってみてはいかがでしょうか。
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