愛犬が子どもを授かったら?母犬の妊娠中の食事で気をつけること
飼い主にとって、愛犬の妊娠は喜ばしいことだと思います。しかし、新しい命を無事に迎え入れるためには、妊娠中の母犬にいつも以上に気を遣ってあげなければなりません。
特に、食事に関してはよりいっそう気を付ける必要があります。そこで今回は、母犬の妊娠中の食事で気を付けることについてご紹介します。
母犬の妊娠中の食事量
妊娠中の人間は、胎児に栄養を送るために普段よりもたくさんの栄養が必要となり、食事量も増加する傾向にあります。人間であれば自分の欲求が分かりますが、犬の場合はどうなのでしょうか。
犬の場合も人間と同様に、食事量が体重の増加とともに増える傾向にあります。犬の妊娠期間は通常63日(約9週間)です。この間、必要な食事量も週数によって変化していきます。
妊娠初期から4週目まではゆるやかに体重が増加していくため、食事量も普段とあまり変わらず、それで十分な栄養が補えます。妊娠5週目に入ると体重が急激に増え始めるため、食事の量も増やしていく必要があります。毎週約15%の割合で食事の量を増やしていき、出産直前となる9週目には60%程度増えるように調整していってください。
出産直前は子宮で胃が圧迫されてしまい、1回の食事量が減ることもあります。食事を常に置いておき、おなかがすいたタイミングでいつでも食べられるようにしてあげるなど、母犬のペースに合わせて食事を与えられるよう、食事方法や回数にも工夫しましょう。
週数によって食事の量を調整していくと説明しましたが、週数を見極めるのがなかなか難しい場合もあります。そんなときには、神経質に週数を数える必要はありません。食事が足りなければ母犬側から要求をしてくるため、足りない分を補ってあげましょう。
母犬の妊娠中に必要な栄養素
妊娠中の母犬は、おなかの中の子を育てるために普段より多くの栄養を必要とします。
普段の食事では、愛犬の好みに合わせた食事を出していることもあるかもしれませんが、妊娠中はビタミンやミネラルなど、豊富な栄養素をバランス良く摂取させることを意識してください。犬の好みに偏ることなく、野菜や海藻類なども積極的に食事に取り入れましょう。
また、犬の体重増加に伴い重要になってくるのが、骨や歯を作るカルシウムや、血液や筋肉を作るのに必要不可欠なタンパク質です。おなかの子どもを育てる働きもあるため、カルシウムとタンパク質も積極的に摂取したい栄養素となります。タンパク質は脂身の少ない赤身のお肉や白身の魚、カルシウムはじゃこや煮干しなどに豊富に含まれているため、普段の食事に混ぜ込むようにすると良いでしょう。
「手作りのご飯を用意するのは大変」という方も少なくないでしょう。そのような方に向けて、妊娠中の母犬用のドッグフードというものも市販されています。妊娠中に必要な栄養素をドッグフードで摂取できるようになっているため、手軽にご飯を用意することが可能です。
また新しいドッグフードを使用する場合は、急に食事を変更してしまうとおなかを壊してしまうことがあるため、普段の食事に少しずつ混ぜ込みながら、10日程度かけて切り替えていくようにしましょう。
おわりに
母犬の妊娠中の食事は、おなかの中の子犬たちにも直接影響します。できるだけ体に良いものを選んで食べさせましょう。
ただし、食べる量や種類には個体差があるため、規定の量や用意したごはんを食べないからといって、必要以上に心配することはありません。全く食べないのは問題ですが、食べているようならばその子のペースや好みに合わせてあげることも大切です。
母犬の様子を注意深く見ながら、新しい家族を迎える準備を進めましょう。
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