里親になる前に知っておきたい、保護犬・保護猫の飼い方のポイント
本来殺処分の対象となるはずの犬や猫を保護し、里親探しやアニマルセラピー犬などへ育成するなどの活動が、自治体や慈善団体などによって行われています。今回はこのような保護犬・保護猫の里親になるために必要な準備や手続きなどについてご紹介します。
保護犬・保護猫とは
飼い主の事情によって飼えなくなり捨てられてしまった、あるいは迷子になってしまい、飼い主を特定できなくなってしまった犬や猫は、各都道府県にある動物愛護センターや動物愛護団体が一時的に預かります。また、廃業したブリーダーがこれらの機関に犬や猫を預ける場合もあります。このような過程で保護された犬や猫を、保護犬・保護猫と呼びます。
しかし、「保護」といっても保護されるのはあくまで一時的なものです。預かれるスペースや世話をする人員が限られているため、一定期間を過ぎても飼い主が現れない犬や猫は殺処分されてしまいます。保護期間は自治体によってさまざまで、1ヶ月以上としている自治体もありますが、多くは3~7日と定められているようです。
環境省の調査によると、里親を見付ける保護犬や保護猫の数は年々増加傾向にありますが、依然として殺処分される犬や猫は数多く存在します。
保護犬・保護猫を飼う前に準備すべきこと
このような保護犬、保護猫を家族として迎え入れるために最初にすべきことは、情報収集です。
多くの動物愛護センターでは、さまざまなイベントを開催して里親探しをしており、引き取られた保護犬、保護猫の同窓会を開催している自治体もあります。また、インターネットではさまざまな里親募集の情報が掲載されています。
次に、自分自身が本当に飼う意思や環境が整っているのかを確認することも大切です。里親になるということは、引き取った犬や猫の一生を共にするという覚悟が必要になります。「殺されるのはかわいそうだから」という一時的な同情心だけではなく、家族の理解や迎え入れのための準備が必要です。
また、家族に犬や猫のアレルギーを持っている人がいないか、賃貸住宅の方は管理組合の同意が得られるのかについてもあらかじめチェックしておく必要があります。
そして保護犬や保護猫は、普通の犬や猫と違い特に愛情に飢えていることが多く、人間に対して恐怖心を持っている場合もあります。このようなトラウマを抱えた保護犬、保護猫の飼い方や接し方についても学んでおくと良いでしょう。
保護犬・保護猫の里親になる方法
保護犬、保護猫の里親になる方法には、大きく4つが挙げられます。
1つ目は直接、動物愛護センターから譲り受ける方法、2つ目は動物愛護センターから譲渡を受けた団体(団体譲渡対象団体)から譲り受ける方法です。そして3つ目は「譲渡会」に参加するというものです。譲渡会とは団体や動物病院、保健所などが主催している里親探しの会のことで、全国各地にあります。4つ目は保護犬カフェ、保護猫カフェで探す方法です。
どの方法で譲り受けるにせよ、共通の条件があります。それは、犬や猫を飼う経済的な余裕があること、責任を持って育てられること、家族の同意が得られていることなどです。また、年齢制限もあり、20歳以上、60歳(団体によっては65歳)以下であることなどが挙げられます。しかし60歳以上でも、同居する家族がいる場合は認められることが多いようです。そして、予防接種やワクチン投与、不妊手術に同意できることも条件として挙げられます。また、団体によっては一人暮らしでは認められない場合もあります。
おわりに
このように、保護犬・保護猫の里親になるためにはさまざまな準備や条件があります。これらの項目は自治体や団体によっても異なるため、事前に調べておく必要があります。
全国には多くの保護犬や保護猫がおり、新たな里親を求めています。新たに犬や猫を飼おうと考えたとき、1つの選択肢として保護猫や保護犬の引き取りを検討してみてはいかがでしょうか。
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