2024.02.16健康

スコティッシュフォールドの関節炎は1歳でも要注意!症状と検査について

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スコティッシュフォールドはその愛らしい様子から日本で大人気の猫種です。

しかし耳が折れているという特徴によって、スコティッシュフォールドは若い時から関節炎が起きてしまうことで有名なのはご存じでしょうか?

 

どんな猫でも高齢であれば足腰の関節に少しずつ炎症や変形が起きて、痛みや動かしづらさを感じてしまいます。

それがごくごく若い年齢から、酷ければ一歳前後から踵や尻尾の関節に問題が出ます。

 

関節炎による変化はゆっくりと進むため、猫の辛さに気づいていない飼い主も多いです。

本記事では、若いスコティッシュフォールドでも起きる関節炎について説明し、症状や検査方法ついて紹介します。

またおすすめのサプリメントも紹介しているのでぜひ参考にしてください。

スコティッシュフォールドの関節炎とは?

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普通の猫の耳はピンと立っているところ、スコティッシュフォールドの耳は前にペコっと折れているのが特徴です。

これは、耳を形成する軟骨に遺伝的に変化が起きているために生じます。

 

この軟骨の変化が、四肢や尻尾の関節にも生じてしまうために、関節に変形が起きてしまって痛みが出ます。

これは骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいしょう)と言う病気です。

 

耳の折れているスコティッシュフォールドの多くが発症すると言われていましたが、100%発症することが分かってきました。

つまり、耳の折れているスコティッシュフォールドは病気とともに生きることが決まっています。

飼い主はこれをしっかりと理解し、今の愛猫の状態を把握しておきましょう。

スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症の症状

耳の折れているスコティッシュフォールドだけでなく、スコティッシュフォールドの遺伝子を持っているのであれば立ち耳であってもリスクはあります。

もし愛猫がスコティッシュフォールドで、以下の症状が出てきていたら、骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいしょう)が始まっているかもしれません。

 

  1. 尻尾の骨が太くゴリゴリしている
  2. 四肢が太め
  3. 爪が研げていない足がある
  4. 高い場所へ上らなくなった
  5. 足や尻尾を触ると怒る
  6. スコティッシュフォールド座り

 

この骨軟骨異形成症の症状は、外見からは分かりにくいので気づかない方がほとんどです。

尻尾も小さな骨がつながっている関節の連続なので、軟骨の異形成つまり変なところに軟骨が出来てしまうことによって尻尾の骨がゴツゴツと太くなり、痛みが出て動きにスムーズさがなくなります。

特に足先の関節に症状が出やすく、手先や足先、踵がゴリゴリと太くなっていきます。

 

関節が痛いために、上手に爪とぎを出来ないスコティッシュフォールドは多く、とがっていない爪がのこってしまいます。

痛みによって、上下運動を避けるようになり、体に触ると痛いために怒りっぽくなることも多いです。

さらに、手先や足先を曲げられないために、特徴的なスコ座りをして、痛みを軽減しようとしているようです。

スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症の検査について

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遺伝的に骨軟骨異形成症を持っているかは耳が折れているかどうかが1つの目安です。

耳が折れているスコティッシュフォールドは100%骨軟骨異形成症になります。

立ち耳でもスコティッシュフォールドであれば骨軟骨異形成症になる可能性があるので、1歳前後からは検査を受けるようにしましょう。

 

関節のレントゲン撮影をすることで、関節の変形が起きているかどうかを判断することができます。

レントゲン検査は猫にとっても一瞬で撮影が終わるために、猫への負担も少ないところが良いです。

それでも、他の猫種と比較するとスコティッシュフォールドは撮影時に嫌がることが多いです。

 

少しだけ、撮影のためにじっとしてもらうのですが、それすらもスコティッシュフォールドでは痛みが出ているようで、この病気の辛さを感じます。

スコティッシュフォールドの軟骨異形成症の検査の時期

スコティッシュフォールドであれば1歳前後で健康診断が必要です。

なぜなら成長期には骨軟骨異形成症が始まっているケースがあるためです。

骨軟骨異形成症以外にも、肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)や腎臓の変形など、他の猫種よりも生まれつきの病気が多い傾向にあります。

 

そのため、一般的な猫では中高齢から始める健康診断でも、スコティッシュフォールドは1歳前後で開始しても良いでしょう。

お勧めの健康診断の内容は以下の通りです。

 

  1. レントゲン検査
  2. 血液検査(一般)
  3. 血液検査(心筋トロポニン測定)
  4. 血液検査(SDMA)
  5. 尿検査

 

肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)は心臓の筋肉が異常に分厚くなる病気です。

スコティッシュフォールドでは必ずしも多いということではないのですが、発見が遅れると命に関わることが多いので、スクリーニング検査をしておくことが大切です。

 

SDMA(エスディエムエー)は早期腎不全の指標で、まだ腎機能の低下が顕著でないうちから腎臓の問題に気づくことができます。

尿検査は家で採尿することさえできれば、猫にとっては痛いことが無い検査になるので推奨したい検査です。

尿中にストルバイト結晶やシュウ酸カルシウム結晶が出ていないかを確認してもらいましょう。

スコティッシュフォールドはどんな検査でも痛みを感じる?

若い時から検査をしておくべき、と言っておきながらとても胸が痛いのですが、関節炎があるせいでスコティッシュフォールドは検査で苦痛を感じることがとても多いです。

ただじっとしてもらうだけの検査であっても、スコティッシュフォールドにとってはその体勢が苦痛であったり、あるいは採血のために腕や足を固定されるのも痛いことが多いです。

 

他の猫種ではそこまで嫌がらない検査でも、スコティッシュフォールドに限っては凄く嫌がったり、怒ったりする、ということです。

人によっては、超音波検査(エコー検査ともいう)は、じっとしているだけで痛みもなく、危険もない良い検査法とされていますが、スコティッシュフォールドではそうはいきません。

安全な超音波検査でも、動かずに固定されるということは強い苦痛を伴います。

 

それでも肥大型心筋症の診断には超音波検査が必須です。

腎臓の形態がおかしくないかなども超音波検査で判断します。

他の猫種よりももっと慎重に、本当に必要な検査なのかを判断しながら、スコティッシュフォールドの検査を進めていくことになります。

スコティッシュフォールドにおすすめのサプリメント

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【引用】松波動物メディカル

関節の構成成分の1つであるグルコサミンやコンドロイチン硫酸などが配合されたサプリメントを与えることも愛猫のQOL(生活の質)を維持するためには有効です。

関節サポート成分が含まれたサプリメントで、愛猫が少しでも快適に過ごせるようにサポートしましょう。

まとめ

本記事ではスコティッシュフォールドの関節炎と、その検査方法、注意点について解説してきました。

飼い主がきちんと把握しておかないと愛猫にとって大きな苦痛に繋がることが理解できたと思います。

定期的な検査も含めて、愛猫の状態は注意深く見ておくようにしましょう。

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わたしたちは創立1974年以来、愛知県名古屋市内で動物病院ペットの健康管理をトータルサポートし続けています。当院は犬・猫をはじめとする小動物の診療を主体として、トリミング、しつけ教室、ペットホテル、通信販売など、さまざまなペットケアサービスをワンストップで展開しています。
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