猫の便秘に要注意!予防と対策を知ろう
猫は下痢をしにくい動物ですが、便秘にはなりやすい傾向があります。
たかが便秘、されど便秘というもので、便秘がちであった状況から、便を出したくても出せないような重症に進んでしまえば命にかかわることもあります。
猫の便秘はだんだんと悪化していくことが多いため、毎日するっと便が出ていないのであれば、その時点から何かしらの対策をしていくことが大切です。
また高齢であれば脱水や胃腸の動きの低下によって便秘がちになってしまうことが多いので、予防的に食事や飲水量に配慮することが推奨されます。
この記事では、猫の便秘の原因、対策、予防策について解説していきます。
猫の便秘とは
猫は砂漠が起源の動物なので、体の水分を無駄にしない体質を持っています。
そのため、どちらかと言えばコロコロの水分の少ない便を出します。
また犬のように1日に複数回の排便ということは少なく、だいたいは1日1回の排便です。
便秘気味になると、排便頻度が毎日ではなく、2日に1回になったり、時に3日に1回と排便の頻度にバラつきが出てきます。
そして排便の無い日が4日、時に5日など長くなっていき、出したいのに出ない状況になると、トイレに何度も行って排泄姿勢をとっても便が出なくなってしまいます。
便秘は便がでないという症状以外に、猫では重症になるほど食欲の低下や吐き気が出てきます。
猫の便秘の原因
もともとの体質によって便秘になりやすい猫ですが、重症化する猫では体質以外にも何かしらの原因が隠れています。
年齢によって原因も違ってきますので、ライフステージごとに説明します。
子猫の便秘
人工哺乳が必要なほど小さな子猫の時に保護された猫では、粉ミルクでの哺乳時に便秘になることが多いです。
通常であれば、哺乳期の子猫は1日に2ー3回、やわらかめの便をしますが、それには母猫による排泄を促す刺激が必要です。
そのため、保護された子猫は母猫がするようなお尻をなめる排泄刺激を人が代わりにコットンやタオルでトントンと刺激してあげなくてはいけません。
この刺激が上手にできないと、子猫の排便回数が減って、便秘気味になることがあります。
あるいは、子猫の場合はお腹の寄生虫などがいても便秘気味になることがあります。
お腹がパンパンにもかかわらず、排便が無いという子猫は、食欲の低下が出てきた時には受診するようにしましょう。
ある程度大きくなって、粉ミルクからフードへ移行するときにも便秘がちになる子猫がいます。
これは哺乳回数が減ってフードに切り替わるために水分摂取量が減ったり、あるいは腸内細菌のバランスが変化することによるものです。
あまりに排便回数が減ってしまって、固いコロコロの小さな便しかでないようであれば、子猫用のウエットフードを利用するのもおすすめです。
成猫や老猫の便秘
成猫や老猫になって、毎日の排便が2日に1回、3日に1回と間隔があいてきてしまうことがあります。
猫の水分の摂取量が少ない、あるいは食物繊維が足りていないのかもしれません。
食べ物や飲水量だけでなく、気持ちの問題でトイレに入りたくない!というケースもあり、排便を我慢してしまって便秘気味になってしまう猫もいるので注意が必要です。
気持ちの問題で猫がトイレに行かない原因としては、猫トイレの砂が気に入らない、トイレの汚れが気に入らない、他の猫と共同のトイレを使用しているので嫌というものがあります。
引っ越しなど環境の変化があっても緊張から排泄を我慢してしまう猫もいます。
病気による便秘
猫の体から水分が抜けてしまう病気では便秘になりやすい傾向にあります。
つまり、慢性腎不全や、糖尿病などがその代表例です。
オシッコで水分がどんどん体から出て行ってしまうために、猫は脱水傾向が続いて、便秘になってしまいます。
また、排泄に関連した神経に問題がある猫も便秘になります。
多くは尾側の脊椎(せきつい)の変形によって、中を通る脊髄神経(せきずいしんけい)を障害しているケースです。
腸の動きが悪くなったり、排便したい感覚が鈍くなってしまうために、猫は便が出にくくなってしまうのです。
便が出てくる手前の、骨盤が狭くなっている時にも便が通り抜けできずに便秘になることがあります。
猫の便秘が慢性化して、常に大量の便が直腸にある状態になると、巨大結腸症という病気になります。
治療の開始が遅ければ遅いほど治らない巨大結腸症となるので、早めに治療を開始することが大切です。
猫の便秘対策
猫の便秘の対策は早ければ早いほど猫の体に負担がかかりません。
飲水量を増やす、食事を変更する、猫のトイレを気に入るものに変更するなど、すぐにできることから始めましょう。
巨大結腸症の場合、その原因が骨盤の変形や狭小化であれば、外科的に(手術をして)骨盤を広げることによって、便秘を解消することができます。
しかし、その手術も猫の巨大結腸症が発症して6ヶ月以内に行わなければ、伸びきってしまった結腸が戻らない確率が増えるために、手術する時期はとても大切なことがわかります。
もし猫の腎不全や糖尿病が原因のものであれば、それらの病気を治療しながら、以下の対策をとるようにしましょう。
飲水量を増やす
最も簡単に猫の飲水量を増やす方法は、ドライフードに水を加えてふやかして食べてもらうことです。
しかしふやかしたフードでは食べないという猫もいるので、試して無理であれば諦めましょう。
次の方法としては猫のウエットフードを活用することです。
ウエットフードには、缶詰、パウチ、トレー、ペースト状のものなどたくさんの種類があり、嗜好性が高い(美味しくて猫が好きな)ことが多いです。
ウエットフードには一般食と呼ばれるものも多いため、その点は注意が必要です。
一般食は猫のための栄養成分がそろっていない、お菓子のようなものなので、主食にしてはいけません。
ウエットフードを選ぶときには栄養バランスが取れている猫用の総合栄養食を選びましょう。
総合栄養食であれば、ウエットフードであっても猫がそれを食べていれば栄養バランスがしっかりと取れます。
ウエットフードは歯垢や歯石がたまりやすいというデメリットがあるので、できれば猫の歯磨きができると安心です。
他にお水を多く飲ませる工夫としては、水皿を複数個所に設置する、お水の温度を変えてみるというのが一般的です。
猫は水に匂いや味がついていると、腐った水だと判断して飲まないことがあるので、水に味をつけるのは止めましょう。
また猫は動いている水しか認識できないとも言われているので、ファウンテンタイプの飲水器が効果的なケースもありますので、一考の価値があります。
食事を変更する
便の硬さは食事に左右されるのは周知の事実で、これは猫にも当てはまります。
繊維の多いフードでは、硬くてコロコロの便が、ふっくらとした大量の便になる効果があります。
食物繊維は可溶性繊維(かようせいせんい)と、不溶性繊維(ふようせい)があり、その両方をバランスよく食べることが大切です。
少量の食事では便も小さく、胃腸の動きも悪くなってしまうので、猫がおいしくなるべく多く食べられるフードであることも重要なポイントです。
病気のせいで便秘になっている場合には、すでにその病気のための治療食を食べていることが多いので、必ず食事の追加や変更は担当医と相談して行いましょう。
サプリメントを活用してみる
ベジタブルサポートは動物の健康のために獣医師と管理栄養士が本気で考えた、野菜をまるごと使用した栄養補助食品です。
特に栄養成分の吸収器官である腸の健康維持にオススメです!不溶性の食物繊維と可溶性の食物繊維が多く含まれ、さらに腸内細菌を増やす効果のあるオリゴ糖、そして乳酸菌を配合してあるため、腸内環境を整える働きが期待できます。 さらに、小腸の粘膜の維持のためにLグルタミンが強化されています。
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また、こちらを使用したワンちゃんや猫ちゃんの飼い主様の感想としては、食糞が減った、毛づやが良くなった、便通が整った、便の匂いが軽減した、というものもありました。
もちろん健康補助食品(サプリメント)ではあるので、劇的な変化ではないかもしれませんが、満足されている方が多いのが印象的です。
パウダー(粉)がお皿の下にたまってしまう、という時には霧吹きでドライフードを少ししめらせてからパウダーをかけると良いようです。
お薬を飲む
いよいよ猫が便秘がちになり、排便の間隔が開いてしまった時、あるいは浣腸や摘便(便を掻きだす)必要が出てくるのであれば、飲み薬で便の硬さを柔らかくして、出やすい状態にします。
猫の便を柔らかくする薬は、マイルドな効果のものから、下痢にさせてしまう強いものまで様々です。
さらに腸の動きが悪くなっている猫には、腸の動きをよくするお薬も使用します。
どれも便秘の原因や重症度によって使用する種類や頻度が異なりますので、投薬に関しては担当医の指示に従うようにしましょう。
まとめ
猫は便秘になりやすい動物ですが、1日1回は排便をするのが理想です。
便秘になる原因は飲水量の低下や、環境の変化、病気による脱水、骨盤の変形など様々です。
猫の便秘は、放置しておくとだんだんと重症化して巨大結腸症という病気になってしまうことがあります。
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