避妊手術や去勢手術で予防できる病気について
わんちゃん&ねこちゃんで最も一般的な手術である避妊 手術&去勢手術ですが、繁殖を望まないときや、マーキン グ等の問題行動を防ぐことを目的に行うものですが、他に 病気を予防する目的として行うことをご存知でしょうか。 今回は、避妊手術や去勢手術で予防できる病気についてご紹介します。
女の子の病気
①子宮蓄膿症
避妊手術をしていない中~高齢の雌犬・猫に多く発生する全身感染症です。子宮内の細菌感染が原因で、 血様~膿様のおりものを排出するタイプと、子宮内に貯留するタイプがあります。他には、飲水量の 増加や排尿回数・量の増加が認められます。
②乳腺腫瘍
雌犬で一番多い腫瘍で、発生は中~高齢で多いです。50% が良性、50% が悪性腫瘍で、悪性腫瘍の中 でも 50% は早期から転移が生じ、経過が悪いと報告されています。 雌猫でも中~高齢で発生が多いですが、犬に比べて悪性である可能性がとても高いです。 犬では、腫瘍の発生と避妊手術の関連性が報告されており、生後 1 年以内に避妊手術した犬と比べ、 手術していない犬もしくは 2 歳以上で手術した犬では発生が有意に高くなっています。
男の子の病気
①潜在精巣
正常では生後 1 ~ 3 ヶ月頃には左右の精巣が陰のう内に降りてきますが、生後半年を過ぎてもお腹の 中や皮下に留まってしまう子がいます。この場合、精子を正常に作ることができないため繁殖には向かず、 精巣が腫瘍化しやすくなります。
②犬の前立腺肥大
前立腺肥大は、前立腺の良性の腫大で、犬で最も多く認められる前立腺の病気です。雄性ホルモンを 多く分泌する未去勢の雄犬で発生率が高いです。尿道が圧迫され、尿が出にくくなることが多く、便秘 や便が細くなるなどの排便に関する症状が出ることもあります。
そのためにも性ホルモンが原因で発症してしまう病気を予防するためには避妊・去勢手術が必要だと思います。健康であるワンちゃん、ネコちゃんの体にメスを入れるということには抵抗があると思われる飼い主さんは多いと思います。ワンちゃん・ネコちゃんは当然子孫を残せる能力は持っています。ただペットとしてのワンちゃん、ネコちゃんの一番の役割は少しでも長く、健康で飼い主さんのそばで過ごせることではないでしょうか。
そのためにも性ホルモンが原因で発症してしまう病気を予防するためには避妊・去勢手術が必要だと思います。非常に安全で身体に負担が少ない避妊去勢手術を当院は行っていますので、お気軽にご相談ください。
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