ねこの一生を考える 前半その1
話を戻しまして、ごはんがキャリーバッグに落ちているのを見つけると、キャリーバッグ=おいしい場所になっていきます。朝ごはんをキャリーバッグの中で食べてもらう、というのでもいいですよ。キャリーバッグはしばらくの期間は、猫ちゃんの生活スペースに置きっぱなしにしておくといいでしょう。
ここで注意事項です。キャリーバッグですが、扉が取り外せるものはしばらく外して練習をしましょう。第一印象はとても重要で、初めてキャリーバッグに入ってみたときに、後ろで扉の「カタン」という音がしてびっくりして二度とキャリーバッグに入らなくなってしまうという子もいます。扉を外しておいて、出たいときにはすぐに出られるようにしておきましょう。閉じ込めるのは決してしないでください。キャリーバッグが閉じ込められる恐怖の箱になってしまいます。練習を繰り返し、安心でおいしい場所になってくると、キャリーバッグに自ら入ることも出てくるかと思います。より居心地のいい場所にするために、お気に入りのふわふわ毛布などを敷いてあげましょう。
いざお出かけの時にスムーズに入ってもらうために、合図をつけておくことはとっても便利です。
ここまでの練習で自ら入るようになったら、キャリーバッグに入る合図をつけましょう。例えば「ハウス」という言葉の合図をつけるなら、猫ちゃんがキャリーバッグに入ろうとしている時に「ハウス」と優しく言いましょう。入ってくれたら、褒めながらごはんを数粒入れてあげてください。繰り返していくことにより、「ハウス」=キャリーバッグに入ることだという学習ができます。ちなみに合図はどんな言葉でもいいですし、言葉でなくても大丈夫です。例えば、キャリーバッグを指でトントンすることが合図でもいいと思います。
次回は前半その2をご紹介したいと思います。キャリーバッグに入ってくれた猫ちゃんとどのように接してあげれば、ストレスなくキャリーバッグで移動できるかどうかについてお話させていただきます。
松波動物病院メディカルセンター
ドッグトレーナー 森夕花
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