ねこの一生を考える 後半
こんにちは。松波動物病院メディカルセンタートレーナー部署主任の森夕花と申します。
前回に引き続き、ねこの一生を考える、をテーマにコラムをご紹介したいと思います。
1つめは、キャリーバッグの練習です。の続き(←前々回の記事はリンクをクリック!)
もう1つは、キャリーバッグに入れたあとの移動の練習です。の続き(←前回の記事はリンクをクリック!)
今回の練習は、タオルでくるむ練習です。動物病院では診察を受ける際に、スムーズな治療を行うために、猫ちゃんの動きを制限する抱き方(保定)があります。病院では多くの場合、治療のためにどうしても痛いことをされてしまうことがあります。恐怖から暴れてしまう子もいますが、我々動物病院のスタッフは猫ちゃんに少しでも楽に、ストレスを少なくした診察を受けてほしいと思っています。そこで、タオルの登場です。猫ちゃんをタオルでくるむことを日常の練習にしておくことにより、いざという診察の時も安心して治療を受けられるように、という目的です。
是非、動物病院に行くときはフリースやタオルなど、包んであげられるものをご持参ください。いつものにおいのタオルは安心の1つになります。それでは練習をはじめます。
はじめのステップは、いつものだっこのときにタオルを膝の上にひいてください。なかなか来てくれない場合は、タオルの上にごはんを数粒おいてあげるのもおすすめです。タオルの上に乗るのが当たり前になってきたら、いつものように撫でながらタオルでゆっくり包んであげてください。この練習ステップにおいても、前回のキャリーバッグ練習と同じことが言えます。嫌な時は猫ちゃんの意思で中断できることが重要です。猫ちゃんが嫌!と思っているのにぎゅっと押さえつけられると、タオルやだっこの印象は悪くなります。
次に、タオルを見ると逃げ出してしまう子になってしまいます。タオルで包まれるのが安心・快適になるように進めましょう。少しずつ時間を延ばします。包んでいる間にごはんや好きなおやつ(ちゅーる等舐める系のおやつもいいと思います)をあげることもおすすめです。うまくいったら、次は診察台を想定し、テーブルなどの台の上でやってみましょう。
ここで大切なポイントです。練習中に私たちが緊張しないことです。緊張はすぐに猫ちゃんに伝わります。実は動物病院の診察で動物たちを保定する際にも起こることなのですが、私達スタッフ側が緊張すると、動物たちも異変に気付き緊張してしまいます。いつもと違う雰囲気に気付き、不安になってしまいます。重要なのは、いつも通りにすることです。診察に来た時にも、いつも通りに優しく声をかけ続けてあげましょう。
今回も、おすすめの練習をご紹介しました。トレーニングはできないと考えがちな猫ちゃんですが、学習はできます。猫ちゃんの一生を考えた猫ちゃんのための練習をしてあげてくださいね。
松波動物病院メディカルセンター
ドッグトレーナー 森夕花
ドッグトレーナー 森夕花
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