チワワの子犬が家にやってきた!こんな時どうする?
獣医師にチワワの魅力を聞いてみました
現在チワワを飼っている松波動物病院メディカルセンターの獣医師 堀之内先生に、チワワの魅力を聞いてみました。
チワワの魅力は目だと思います!
訴えかけてくる視線を向けられ、ついわがままでも聞いてしまいます。現在7歳ですが、1年半前に保護した子です。長生きしてくれる子もいて、人生のパートナーとしてありがたい存在です。
確かに!このウルウルな瞳に見つめられたら、ダメだとわかっていてもなんでもワガママ聞いてしまいそうですね!
子犬のチワワが家に来て、食欲がない、ずっと鳴いている、咳をするというお悩みを聞くことが日々の診察では多いです。
最近では生後2カ月から3カ月あたりで家庭に来るチワワの子犬が一般的ですが、体重が1㎏に満たないことも多いために体力もなく、いろいろなトラブルが出てきます。
この記事では、家に来たばかりの小さな子犬のチワワへの飼育環境や正しい接し方、食べない、寝ない、鳴いているなどのお困りごとへの対処について解説します。
子犬のチワワが家に来た時
子犬のチワワは、生後2カ月ー3カ月の時には体重が1㎏に満たないこともあり、体力がないために環境の変化によって体調不良をおこしてしまうことが多いです。
そのため、最初の7日ー10日はケージから出さないようにとペットショップやブリーダーから指示されます。
そのほかにも温度管理や環境、ごはんのあげ方、遊ぶ頻度などは、中型犬や大型犬の子犬とは違う点もあるので、以下の点に注意しましょう。
最初の1週間はケージから出さない
まだ幼いチワワが家に来た時に、最初の7日ー10日ほどは基本的にケージの中だけで過ごさせてあげるように指示されることが多いです。
なぜなら体重が1㎏にも満たない子犬には、体力がそこまで多く備わっていないためです。
そんな中で、環境の変化によって緊張や興奮が強く、ゆっくり眠れない状態ではさらに体力が削られてしまいます。
さらにケージにはタオルや囲いなどを用いて、目隠しをしておくことをお勧めします。
そうすることで、外の様子が気になって休めない!という状況を防ぎます。
温度管理もとても大切
気温の低下に対応できないチワワの子犬が多いので、温度管理は特に大切です。
室温は25℃前後で、チワワのいる環境(床の高さ)の温度を確認しましょう。
ケージの近くに温度計をおいて、室温が25℃前後になっているかを確認します。
エアコンは室内の上の方の温度だけ温める傾向にあるので、生後2カ月のチワワであれば、真夏以外では床から温めるペットヒーターを敷くことをお勧めされることが多いです。
暑い場合にはペットヒーターから降りられるように、ケージの一部を暖かくするのが良いでしょう。
鳴いても最初は我慢
急に知らない場所に来て、今までは他の子犬や母犬がいたのに、今は独りぼっちで寂しくてたまらない!という心境になるので、チワワの子犬はケージに入れておいても最初は不安で鳴いていることが多いです。
寂しそうだからケージから出してあげよう、と思うのが人の心理だと思うのですが、そこはぐっと我慢しましょう。
まず、ケージの中は安全で、ごはんも貰える、よく眠れる、一人(一匹)でも大丈夫な場所なんだ、とチワワに解ってもらうことが大切です。
すぐにケージから出してしまうと、ケージに慣れることが遅くなり、常にケージから出たい出たいと鳴くチワワになってしまいます。
ケージから出ている時間が長くなると、異物の誤食や、感電、トイレ学習の妨げになることが多いので、チワワのためにもなりません。
最初の7-10日はケージ内で鳴いても、話しかけたり目を合わせたりせず、心の中で「そこは安全だからゆっくり休めると学習してね」と唱えながら目隠しの布をかけておくようにしましょう。
家に来たチワワの食欲がないとき
最初の日はよく食べていたのに、だんだんと食べる量が減ってきて、今日は全然食べないのはどうして?どうしたら良いの?と悩まれる飼い主様が多いです。
だいたいは、環境の変化に疲れて食べる体力が無いという状況ですので、ケージから出さずに眠る時間をたくさん作ってあげられているかを確認します。
ケージから出してないけれど、食べないんです、という場合には、オヤツをあげていないかを確認します。
オヤツを貰い始めたチワワは、オヤツは食べるけれど主食は食べない!という傾向が強いです。
ご褒美はできれば、一日のフード量の中から少し取り分けたものを与えるようにしましょう。
食欲を出す工夫
オヤツもあげていないし、しっかりと寝る時間もとっているのに、食が進まなくて⋯という場合には、まず人肌にあたためて、フードから良い匂いがする工夫をしてもらいます。
次に、手からあげると食べるという子犬も多いので、少量ずつ手からお勧めしてもらいます。
さらにペットショップやブリーダーから最初に缶詰やふりかけ、ペースト状のトッピングが渡されているケースでは、それを利用してもらいます。
だいたいは、そのウエットフードだけ食べる、トッピングだけ食べて主食は食べないという結果になってしまうのですが、それでも空腹時間が長くなるよりは良いでしょう。
ウエットフードやトッピングも総合栄養食のものであれば、栄養面での問題はありません。
子犬で低血糖のリスクが高い時には、食べてもらうことを優先します。
体調不良が無いか確かめる
疲れやえり好みなどではなく、実は体調不良で食欲が低下していることもあります。
食べないだけでなく、元気がない、くしゃみ、咳、鼻水、下痢、嘔吐などの症状がチワワにあるならすぐに受診するようにしましょう。
体が小さいので、体調不良での食欲不振は重症化してしまうケースが多いためです。
ウンチを食べるのですが⋯
食糞は子犬時代にはよく見られる行動です。
まだ消化吸収の能力が万全ではなく、栄養素が残った状態で排泄されているのか、あるいは暇なので近くにあった便を食べてみているだけなのかは不明なのですが、食糞してしまう子犬は多いです。
人がそれを見ると、気持ち悪いために、慌てて叱ったり便を吐かせたりすることがありますが、それは悪手にあたります。
お腹の寄生虫や良くない細菌、ウイルスが便中にいなければ、基本的に自分で出したものを自分で食べても大きな問題にはなりません。それを踏まえて、感情としては複雑だと思いますが、以下の対策をしましょう。
食糞するのを見ても叱らない
食糞しているところを見かけて、慌てて怒って便を取ると、その後に隠れてこそこそ排泄してすぐ食べるような習慣がついてしまうことがあります。
隠れてすぐに食べるようになってしまうと、便を回収できずに食糞が習慣化してしまうので怒るのは得策ではないのです。
子犬の時期は、食糞をみかけても、そこは諦めて見守ります。
なるべく食べないように排泄したらすぐに便を片付けてしまって、便を食べる機会を減らすことを心がけましょう。
成犬になれば、散歩で排泄する習慣がついたり、あるいは消化吸収能力が高くなるのか、だんだんと便を食べなくなることが多いです。
食糞しない工夫
ただ便を回収するだけでは治りそうもない、という時には、食糞防止グッズを活用する方もいます。
苦味のあるスプレーを便にかけておいて、食べたら苦い!という嫌な経験で学習させたり、あるいは食糞防止サプリメントも販売されており、それで食糞が減るということもあるようです。
ただ、それらによって必ず食糞がすぐに無くなるものではないですし、まったく効果のないケース、逆に下痢や軟便などが出るケースもあるので、使用するのは慎重にしましょう。
成犬になっても食糞する場合には、腸の問題が隠れていることもあるので、獣医師に相談して、フード変更で食糞対策するのもお勧めです。
まとめ
小型犬のチワワの子犬時代は、他の犬種よりも小さく体重も1㎏未満で家に来ることが多いです。
体力もあまり無いため、体調不良や食欲不振、低血糖のリスクがあり、他の犬種よりも注意が必要です。
子犬のチワワが安心して休める時間を作ることが大切です。
それでも病気の症状が出てしまった時には、低血糖のリスクや重症化する可能性があるので、すぐに受診するようにしましょう。
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