新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと
※公益社団法人東京都獣医師会 危機管理室 感染症対策セクション作成の記事を転載しています。
※2020年4月5日時点の情報に基づいて作成しています。今後、新しく得られた情報により、内容が更新されることがありますので、あらかじめご了承ください。また、個別具体的な事象への判断を行うものではありません。
新型コロナウイルスに感染した人が住んでいる環境
新型コロナウイルスに感染している人の住環境には大量のウイルスが存在しています。
犬や猫も、家具も同じです。
犬や猫は感染している可能性もあります。
入室する人や物にもウイルスは付着しますし、人は感染する可能性があります。
新型コロナウイルスに感染した方に飼われているペット
• 飼い主と同じ環境にいたペットには体表に大量のウイルスが付着しています。
• 感染して体内にもウイルスが存在している可能性があります。
• 猫(ベルギー)では糞便中にウイルスの存在が報告されました。
• AVMA(アメリカ獣医師会)によると、飼い主のくしゃみや咳で飛び散った唾液などが、ペットの被毛に付着したとしても、唾液などの水分が被毛に吸収され、ウイルスも毛の中に閉じ込められるため、感染しにくくなるということです。
新型コロナウイルスに感染した方に飼われているペットをペットホテルやあなたの家で預かるために
感染した飼い主と濃厚接触していない方に協力をお願いしてペットを届けていただくことを推奨します。
1. 飼い主側が連れてくる場合
• 飼い主やその方と濃厚に接触している方は遠慮してもらってください
• 預かるスタッフはグローブやマスク、エプロン、メガネ などを装着して下さい
• キャリーボックスに入れて連れてきてもらって下さい
• できれば、預かる側で用意しておいたキャリーボックス に入れ替えて下さい
• 無理なら、預かったキャリーボックスを次亜塩素酸ナトリウム※(0.05%)などで消毒して下さい。
※ 家庭にもある塩素系漂白剤です(例:ハイターなど)
2. 飼い主宅に赴いてペットを預かる場合
• 飼い主宅はウイルスで汚染していることに注意しましょう
• 入室の前にグローブやマスク、メガネ、ガウンなどの防御衣類をつけましょう(廃棄のための容器も用意)
• できれば2名で赴き、入室する人の防御衣類着脱など、汚染防止に協力してください(汚染環境に入らない人を確保すること)
• 預かる側で用意したキャリーボックスにペットを移して下さい
• できない場合はキャリーボックスの外側を次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)などで消毒して下さい
3. シャンプーをして下さい(界面活性剤でウイルスは死にます)
• マスク、グローブ、エプロン、メガネを装着して行って下さい。
• 可能なら屋外がのぞましいです。
• 屋内の場合には、後で消毒しやすい環境を作っておいて下さい。
(余計なものを片付けておく、ビニールシートで被覆するなど)
• まず毛をお湯でよく流しましょう。シャンプー剤を使う前に体を振らせないよう注意して下さい。
• よくすすいだ後ドライヤーで乾かして下さい。
• 工程が全て終了したら防護に使ったものを外して下さい。洗濯をすれば再利用可能です。
4. シャンプー後
• 体表のウイルスは除去されているか不活化しています
• ウイルスは保有しているかもしれません。キスをしない、お皿などを共有しないなど、良い衛生を保ちましょう
• 14日間は隔離が望ましいでしょう
• 隔離している場所は次亜塩素ナトリウム液(0.05%)などで消毒しましょう。
5. 猫の場合
• シャンプーの作業は犬と同様に防護具を装着しておこなって下さい
• 先に爪切りをし、エリザベスカラーを装着するなどの防御をしておきましょう
• 無理ならば、クロルヘキシジン水(0.05%)(商品名:ヒビテン液、ヘキザック液など)で体を拭いても効果的です。その際にはエリザベスカラーを装着して猫が舐めないように注意しましょう。その他、次亜塩素酸水(0.02%)などで清拭するのも効果があると言われています
• 糞便の取り扱いにはマスクやグローブを使って下さい
• 隔離期間は犬に準じます(14日間)
次亜塩素酸ナトリウム水と次亜塩素酸水は別のものです
1.次亜塩素酸ナトリウムとは
家庭で塩素系漂白剤として使用されることが多いですが、優れた消毒作用もあります。
しかし、強いアルカリのため体に使ってはいけません。
新型コロナウイルス対策のためには、0.05%の濃度になるよう水で薄めて使用して下さい。
酸と混ぜると塩素ガスが発生して危険です。
換気に気をつけて下さい。
薄めた液体は効果が薄くなっていきます。その都度調整して下さい。
2.次亜塩素酸水とは
塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電気分解することで得られる液体です。
殺菌効果があります。
厚生労働省は食品添加物として認可していますので、体に使っても安全とされています。
飼い主の皆様へ(Q&A)
下記もご確認下さい。
新型コロナウイルスQ&A(2020/4/8時点の情報)1
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