去勢後や避妊手術後で食欲がない猫、栄養補給はどうすればいい?
去勢手術や避妊手術を行った後は、猫の元気がなくなってしまうことがあります。特に、食欲をなくしてしまう猫は少なくありません。この状態はどれくらい続くのでしょうか?また、なかなかご飯を食べない時、猫の栄養補給はどのように行えば良いのでしょうか?
本記事では、猫の去勢や避妊手術後の元気がない原因と、栄養補給に適したフードを現役獣医師が紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
また、猫の去勢や避妊手術にかかる費用や、メリットデメリットについてまとめた記事もありますので、あわせて確認してください。
【関連記事】猫の去勢や避妊は絶対に必要なの?去勢・避妊のメリットとデメリット
猫は去勢・避妊手術後に食欲がなくなることがある
去勢・避妊手術後1~2日の猫は、さまざまなストレスから食欲がなくなることがあります。2日ほどであれば、食欲がなくても過度に心配する必要はありません。慣れない場所で怖い思いをしているので、突発的な抑うつ状態になることは十分にあり得ることだからです。
しかし、3日以上たっても食欲が戻らない場合は、体に何らかの異常をきたしていることが考えられます。また、絶食状態が続くと「肝リピドーシス」を始めとした病気を引き起こすおそれがあります。食欲不振が長く続く場合は、動物病院で獣医師による診察を受けさせてあげましょう。
猫が手術後に食欲がなくなる原因
去勢・避妊手術後の猫は、どうして食欲がなくなってしまうのでしょうか?
手術の傷口が痛むから
体にメスを入れた手術後は、家に帰ってきてからもまだ鈍い痛みが残っている可能性があります。このような痛みによって、猫はご飯を食べる気力がなくなっているのかもしれません。メスは開腹手術を行い、大きなダメージを受けていますから、痛みが原因で食欲不振になりやすいです。もしも傷口の痛みで食欲がなくなったのであれば、時間の経過とともに痛みが引いてくるため、食欲も徐々に戻ると考えられます。
ストレスがたまっているから
慣れない病院で知らない人たちに囲まれて過ごすことは、猫にとってかなりのストレスになります。このような緊張のため、しばらくの間はご飯を食べられなくなってしまうこともあるのです。落ち着けば食欲も自然と元通りになりますから、猫がリラックスできるような環境を整えてあげましょう。
エリザベスカラーが気になるから
動物病院にもよりますが、手術後は首にエリザベスカラーをつけることがあります。エリザベスカラーは傷口をなめてしまうのを防ぐためのアイテムですが、猫にとってはとても不快なものです。あまりストレスになるようなら、飼い主さんが見ていられる時に限って外してあげても良いでしょう。食事の時だけでも外してあげると、ご飯を食べるようになることがあります。
栄養補給はどうすればいい?
去勢後や避妊手術の栄養補給で猫に食欲がない場合は、一度にたくさんのご飯を与えるのではなく、小分けにして食べさせるのがおすすめです。1日6回くらいに分けて、少量のご飯を与えましょう。
猫がドライフードを食べない場合は、より食べやすいウェットフードをあげてみましょう。ウェットフードなら栄養と一緒に水分も取れます。少し食べるだけで豊富な栄養とカロリーを摂取できるフードも販売されています。中でも、ペーストタイプの商品は、猫の口元に塗りつけるとなめてくれるので、手軽に栄養補給ができます。
ただし、去勢・避妊手術を受けた後の猫は、必要なカロリーが10~30%少なくなります。したがって、手術後しばらくしてから食べる量が少し減ってしまっても、それほど心配はいりません。逆に、今まで通りの食事を続けると、糖尿病や心臓病を引き起こす一因である肥満になってしまう可能性がありますから、注意しましょう。
猫の去勢や避妊手術後の栄養補給におすすめのフード
現役の獣医師がおすすめしている、猫の去勢、避妊手術後におすすめの栄養補給フードを紹介します。
ロイヤルカナン:退院サポートウェット缶(195g)
先ほどの章でも紹介した、高栄養で消化しやすいウェットフードです。
ムース状のフードなので、噛む必要がほとんどなく舐めるようにして食べることができるので、食事の際に猫の負担が少なくて済むのが特徴です。
食べやすく少量で栄養が摂取できるので、食欲がない手術後、退院後におすすめしています。
手術後、食道チューブを設置している状態でもムース状で滑らかなため、栄養を入れてあげることも可能です。
ヒルズ:回復期ケア(156g)
引用:回復期ケア(156g)
こちらも、先ほど紹介したフードと同様で、高栄養のフードです。
特徴としては、高タンパク、高カロリーに調整してあり、衰弱時の回復に適した作りとなっています。
高栄養なだけでなく、嗜好性が高いのも特徴で、猫が喜んで食べてくれるよう調整してありますので、美味しく食べれるフードです。
※食事療法食の選択や変更、与え方等については、獣医師の指示にしたがってください。
食欲がなくてもしばらくは黙って見守ろう
去勢手術や避妊手術の直後、猫は身体的にも精神的にも大きなダメージを負っています。ストレスでご飯を食べられなくなってしまうのはよくあることなので、1~2日は無理に食べさせようとせずに見守ってあげましょう。体の調子が整うにつれて食欲も自然と元通りになることがほとんどです。ただし、3日以上食欲がない状態が続くようであれば、すみやかに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
おわりに
去勢・避妊手術はどうしても猫の体に負担をかけてしまうものです。しかしその一方で、病気の予防につながったり問題行動を抑えたりと、猫にとっても大きなメリットもあります。飼い主さんがよく注意して体調を見守ってあげながら、猫が回復するまでの期間を過ごしましょう。
去勢、避妊手術による病気の予防については以下の記事にまとめてありますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【関連記事】避妊手術や去勢手術で予防できる病気について
【猫の高栄養食】
http://www.matsunami-shop.com/fs/animal/c/m0816/
松波動物メディカル通信販売部本店公式ブログ
最新記事 by 松波動物メディカル通信販売部本店公式ブログ (全て見る)
- 猫の便秘に要注意!予防と対策を知ろう - 2024年11月21日
- 犬猫の療法食の効果と意外な落とし穴とは? - 2024年11月11日
- チワワの子犬が家にやってきた!こんな時どうする? - 2024年11月8日
去勢手術のあと元気がない11日に去勢手術13日に病院14からはいて15日は3回午前中に吐きました全く食べて無いので病院に行くべきか迷っています
こんにちは。松波動物メディカル通信販売部です。
ご返信が遅くなりまして申し訳ございません。
ワンちゃんネコちゃんの種類や年齢などがわからないため、
詳しいアドバイスができかねるのですが、
手術の後ということもあり、実際に診察をしないと分からない部分が多いと思いますので
出来る限り病院での診察をお薦め致します。