猫の毛の模様と性格には関連があるってホント?気になる猫の被毛について
猫と一緒に暮らすようになると、それぞれの性格の違いに驚くことも少なくありません。
まるで「猫は気まぐれ」のようなイメージを覆す、甘えん坊な子もいれば、1人の時間を満喫できるクールなタイプもいます。
このような性格の違いは、遺伝による説や環境による説があるなどさまざまですが「猫の毛や模様によって性格は異なる」という説もまた有名です。
どの説も科学的な根拠はいまだ明確に発表されてはいませんが、今回は、この猫の毛の模様と性格の関連説についてご紹介します。
猫の毛色は20種類以上!?
猫にはさまざまな毛色があります。
シロ・クロ・グレーと呼ばれ単色で模様のない毛色や、サビと呼ばれる黒と茶色が混ざった色合いの猫、茶色のシマ模様が入ったチャトラ、幸福を呼ぶといわれる三毛など、色合いにより呼び名もさまざまです。色や模様の組み合わせで呼び名は異なり、その種類は20種類以上ともいわれています。
そのような背景があり、学会などでは猫の性格と毛色が関与するといった要旨の論文がたびたび発表されています。しかし、どの論文も決定的な決め手にかけ、また毛色は父猫と母猫からの遺伝が深く関与するため、一概に否定できない側面もあります。
また、毛色はさまざまな遺伝的要素が関与します。猫は発情期中に違うオスと交尾することで一回の妊娠で複数のオスの子を産むことができ、これを「異期複妊娠」といいます。そのため、同じタイミングで生まれた兄弟であっても、同じ父親猫とは限りません。結果として子猫が生まれても全く違う毛色や柄で生まれてきます。
このように、毛色には複雑な仕組みが絡み合うため、一概に毛色や柄で性格は決めつけることはできないというのが一般的です。
それでもやっぱり関係がある?猫の性格と毛色
さまざまな研究がなされる中で唱えられる、猫の性格と毛色に関するいくつかの仮説についてご紹介します。
まず1つ目が「キジトラ」と呼ばれる猫。全身が茶色でシマ模様が入っている模様です。この毛色の猫は、「野性的」で「警戒心が強い」といわれています。
理由は、本来、イエネコの毛色はこのキジトラの色合いだったためです。他のさまざまな猫の毛色は、このキジトラから突然変異して生まれたとされています。そのため、キジトラは他の毛色の猫に比べると野性味を感じる性格をしているといわれています。
また、茶色・黒・白の三毛やサビ(トーティ)とも呼ばれる猫は、「マイペース」や「シャイ」、「あまり甘えない」などといわれます。
これは、三毛やサビは遺伝子の形状からほとんどがメス猫だからです。そのため、メス猫が多く持つ性格が目立ってきます。ちなみに、オスの三毛猫はとても珍しいため、幸運を呼ぶといわれることも。
2つ目にチャトラやチャシロは、オス猫が多くなる遺伝子を持ち「活発さ」や「甘えん坊」の性格が目立つといわれています。
3つ目に、全身白一色のシロは「大人しい」性格だといわれます。その理由は、白色遺伝子は聴覚の発達を阻害するため、音が聞こえないことが多く危険な場所にあえて身を置くリスクを避けるためといわれています。この傾向は、特に目の青いシロに多く起こります。
また、同じシロに見えても「アルビノ」と呼ばれる色素がない猫もまれに存在します。アルビノは視力が悪い傾向にあります。そのため、シロは注意深く行動する「大人しい」印象を与えるようです。
現在もさまざまな研究がなされていますが、毛色と性格を明確に結びつけるまでには至らず、一概に「この毛色はこんな性格」とはくくれないようです。
おわりに
猫の性格と毛色の関連性は、いまだ明確な答えは出ていません。しかし長く人間とともに暮らす猫たちからは、個体によってさまざまな性格や個性を垣間見ることができます。
既に猫と暮らしている方は、改めて自分の愛猫の性格を観察してみてはいかがでしょうか。
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