犬や猫の足の裏にはどんな違いがあるの?意外と知らない肉球のしくみ
犬や猫の持つ特徴といえば、足の裏にある肉球を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。見た目のかわいらしさから、肉球をモチーフにしたグッズも見かける機会があると思います。
一見、犬猫どちらとも変わらないように見える肉球ですが、実はそれぞれ異なった特徴があります。そして、犬や猫が生活していく上で欠かせない大切な器官でもあるのです。
今回は、意外と知らない肉球のしくみについてご紹介します。
肉球のしくみ
犬や猫の他にも、熊、パンダ、イタチなどにも肉球があることをご存じでしょうか。正式には「蹠球(しょきゅう)」と呼ばれる肉球は、主に陸上で生活する食肉目(哺乳類の一種)の動物が持っています。
地面にそのまま接することになる肉球は、外部からの刺激を常に受けるため、他の皮膚とは構造が異なります。肉球の表面の皮膚は分厚い角質層で覆われ、その下に弾性繊維や脂肪が網目状になっているのです。周囲には汗腺が発達しており、これは常に肉球を保湿するためだといわれています。
また、肉球の表面には血管が少なく、一度傷つくと治りにくいため、ペットのケガには注意しましょう。肉球は、乾燥やひび割れになってしまうことも少なくありません。ひび割れ部分から菌が侵入して化膿してしまい、重症化すると歩けなくなる恐れもあります。肉球の保護には、乾燥やひび割れを予防するための肉球専用のケア商品がおすすめです。
犬の肉球の特徴とは
犬の肉球はザラザラしていて、丈夫で分厚いという特徴があります。
これは犬の祖先であるオオカミの生態が関係していることに理由があります。オオカミは雪が降る寒い環境で暮らしていることから、雪が積もった地面でも走れるよう滑り止めとして適した肉球に変化していきました。
このことから、犬は地面の状態や季節の変化に関係なく外で走り回れるようになっています。加えて犬の肉球は地面を走り回るときのクッション代わりだけでなく、痛みや温度を感じる役割も持っています。子犬の頃は柔らかい肉球ですが、散歩などで外に出る機会が多いとだんだん丈夫な肉球に変化していきます。
この他にも、年齢を重ねたり、冬など乾燥しやすい時期になったりした場合も肉球は硬くなりやすいです。ただし、ほとんど外に出ない犬の場合はザラザラした場所を歩かないため、生まれたときとあまり変わらず肉球は柔らかいままになります。
猫の肉球の特徴とは
猫の肉球は犬の肉球とは対照的に、薄くてつるつるしているという点が特徴です。
猫の肉球の構造についても、犬の場合と同様に、猫の祖先であるリビアヤマネコの生態が関係しています。リビアヤマネコの場合オオカミとは逆で、雪のない温かい地域で生活していたため足元に気を付ける必要がなく、その結果つるつるの肉球になりました。
薄くつるつるした猫の肉球は、獲物を狙うときの忍び歩きや体温調節、顔周辺の手入れなど、猫の生活において大切な役割を果たしています。
また、外に出る猫の場合は、アスファルトを始めザラザラした場所でも歩きやすくするために、犬の肉球のようなザラザラした感触の肉球に変化することもあるでしょう。
猫の肉球の色は、黒猫は黒色、白猫はピンク色、模様のある猫は肉球にもまだら模様があるなど、猫の毛色によっても変化します。
おわりに
犬と猫の肉球は一見同じように見えますが、どちらの肉球も異なる特徴や役割を持っていることが分かります。
犬にとっても猫にとっても、肉球はなくてはならない大切な器官です。一度傷ついてしまうとなかなか治らないため、ペットの健康を守るためにも外で遊ばせる際などは注意して見ていてあげてください。
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