授乳からドッグフードへ、子犬の食事を変えるタイミングとごはんの与え方
犬は、小・中型犬だと1年程度で成犬になるといわれています。
急速に成長する子犬期は、骨格や内臓機能、免疫機能を発達させ成犬の体へと成長していくため、さまざまな栄養素を必要とします。
そんな子犬期の栄養管理は愛犬の成長の上でとても大切なものですが、子犬期は食事の量を意識して食事を与えないと、食べ過ぎて肥満になったり、嘔吐や体調不良を引き起こしたりすることもあります。今回は、子犬の食事を授乳からドッグフードへ変えるタイミングと、ごはんの与え方についてご説明します。
生後3〜4週間からドッグフードに慣れさせよう
生まれたばかりの赤ちゃん犬は、母乳を主な栄養源としています。特に初乳には、母犬の免疫力を受け継ぎ、腸内細菌を正常に保つ働きがあるともいわれています。生後1週間ほどで成熟乳となり、このときに母乳が十分に飲めていない子犬は代用乳で補います。生後3〜4週間ほど経つと乳歯が生えてきて、離乳のタイミングへと変わります。
この頃から、子犬の様子を見ながら子犬用ドッグフードにぬるま湯を加え、粥状にして与えるようにします。このときのフードは母犬のものを与えるのではなく、必ず成長期の子犬用のものを与えましょう。
子犬用フードは、子犬の成長に適した栄養素が配合されています。成犬用とは成分が違うため、必ずパッケージにある対象年齢を確認しましょう。また、ふやかすときに熱湯を使うとせっかくの栄養素が破壊されてしまいます。人肌程度のぬるま湯か、子犬用ミルクでふやかす様にして、ミキサーなどでペースト状にして与えましょう。
生後3ヶ月頃から少しずつ固いフードに
生後3ヶ月頃になると歯がしっかり生えてきて、消化能力も整ってきます。ウンチの状態や目の輝き、体の動きなど全身の状態を見て、少しずつ粥状から固いフードに変えていきます。
移行するときは「ゆっくり、少しずつ」を心掛け、ふやかす水の量や時間を10日程度かけて少しずつ減らしていきましょう。そうすることで、子犬の消化器官に負担を与えずに移行することができます。
この時期に食欲がピークになる子犬も多くいますが、欲しがるだけ与えると肥満になってしまいます。子犬のときから肥満体質になるとさまざまな病気を引き起こすため、必ず適量を守り
ましょう。
生後10ヶ月頃になると食事量が安定してくるため、食事を朝夕2回に分けて与えます。この時期になると体も成犬並みに成長し、子犬用ドッグフードから成犬用ドッグフードに切り替える準備を始めます。
一気に与えるフードの種類を変えるのではなく、それまでのフードの中に新しいフードを混ぜながら与えるように、1〜2週間かけて切り替えると良いでしょう。
しつけも大切!食べないときは片付けて、後からもう一度与えよう
子犬に食事を与えるときに、飼い主が注意しなければならないことが2点あります。
1点目は、与えたフードを食べない場合、すぐに下げるようにすることです。食べないフードは、「置いておくといつか食べるかも」と思うかもしれませんが、ドライフードに含まれた脂肪分は空気に触れると酸化します。味が変わってしまい栄養価が落ちるだけでなく、暑い時期は傷んで下痢や嘔吐を引き起こす原因にもなります。
2点目は、子犬が「食事はいつでも食べることができる」と学習してしまうと、うまくしつけられなくなる、ということです。食事を与えても15分程度食べないときは食器を片付けてしまい、冷蔵庫に入れて1〜2時間くらいしてから再度与えてみましょう。
子犬の頃は学習能力が高く、子犬がお腹をすかせて騒いだときに食事を与えると、「騒げば食事が貰える」と思ってしまいます。食事を食べないときに優しく声を掛けると、「ごはんを食べないと構ってもらえる」と勘違いすることもあります。飼い主の対応次第では、「構って欲しいときは食事を取らない」という問題行動に出ることもあるため、きちんと食事を取ったときに褒めるよう徹底してしつけましょう。
おわりに
今回は、子犬の食事を授乳からドッグフードへ変えるタイミングとごはんの与え方についてご紹介しました。学習能力の高い子犬の時期に築く愛犬との関係性は、成犬になってからの関係性の基礎となります。最もしつけがしやすい「食事」の機会をうまく活用して、愛犬との信頼関係を発展させ、また愛犬の体も健康に発達させてあげたいですね。
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