メインクーンの性格・飼い方・しつけ・病気について
大きな身体にふさふさの長い毛をまとい、ゆったりと落ち着いたしぐさで動く「メインクーン」。血統書付きの猫としてキャットショーなどでもおなじみとなっており、長毛種愛好家の中でも高い人気を誇る猫として知られています。
今回は、メインクーンの性格や正しい飼い方、しつけの方法、病気についてご紹介します。
穏やかで賢い優等生
メインクーンはアメリカのメイン州が原産とされており、「州猫」に認定されています。17世紀から18世紀にかけてアメリカに持ち込まれた猫が交配を繰り返し、冷涼な気候に適した大きな身体を持ち、適応力に優れた個体が生き残ったと考えられています。
協調性に優れた賢い猫で、ほかの猫や犬、小さな子どもと一緒にいてもあまりトラブルになりません。
成長はゆっくりで、最終的なサイズになるまでに2~3年以上かかることも。体長(胸の前からお尻の先まで)が1mを超えることも多く、成猫になると体重が10kgを超えるケースもあります。
飼い方の注意点
毛のお手入れは念入りに
長毛種なので放っておくと毛玉ができて、最悪の場合はバリカンで丸刈りにすることになってしまいます。足の付け根やあご、耳のうしろなどはこすれて毛玉ができやすいため、様子を見ながら毎日優しくブラッシングしてください。
すでに毛玉ができている場合、手で軽くほぐしてブラシを通します。ほぐれない場合はハサミで毛玉の部分だけ切り取りましょう。
猫には珍しく被毛が油分を含んでいるため、水をはじきます。臭いが気になるようなら年3~4回を限度にお風呂に入れましょう(ドライシャンプーでも可)。汚れがひどいようならお尻の周りだけを洗ったり、そこだけ毛を短く刈り込んだりしても良いでしょう。
身体の大きさに合った暮らしを
大きな身体に見合うよう、上下運動ができる環境など必要なスペースを確保してあげてください。キャットタワー、通院用のキャリーバッグやトイレなども、通常より大きく丈夫なものが必要です。
成長が完了するまでに数年かかるので、その間は高タンパク・高カロリーな成長期に適した食事を与えてあげます。食べさせる量で迷ったら、獣医師へ相談してみましょう。
ひとりにしないで!
寂しがり屋なので、飼い主さんや仲間の猫と行動したがります。ベタベタとしつこくされるのは好みませんが、遊ぶのは好きでそっと寄り添ってくることも。信頼関係を築き、パートナーとして認めてもらいましょう。
しつけの方法
メインクーンは賢い猫のため、しつけで困ることはさほどありません。しかし、頭が良すぎてドアを開けたり、水道から水を出したりするようになることも。猫に入られると困るスペースは、家具の配置や間取りなどを工夫しましょう。
体が大きいため、爪とぎのために伸びあがると、かなり高い位置まで手が届きます。家具や壁紙の素材は傷がつきにくいものを選び、爪をとぎそうな場所には爪とぎをセットしてあげることをおすすめします。
注意すべき病気
メインクーンは一般的な猫がかかる病気に加え、次のような遺伝病にかかるリスクがあります。猫は痛みや苦しみをあまり表に出さないので、様子がおかしいと思ったら早めに受診してください。
肥大性心筋症
心臓の筋肉が肥大して硬くなる病気で、血栓塞栓(そくせん)症によるマヒや突然死を引き起こす可能性があります。中年期以降に多いのですが、オスの場合は若くても比較的かかりやすいようです。心エコーやレントゲン、心電図検査で発見できるほか、遺伝子検査によってリスクを判定できます。
脊髄性筋萎縮症
脊髄の神経が消失する病気で、やはり遺伝子検査でリスクが判定できます。
異形成症
股関節の運動障害や関節炎をもたらす病気で、痛みをともないます。歩く時のしぐさや後ろ足の付け方などに違和感がないか注意しましょう。
多発性囊胞腎
腎臓に液体が溜まる袋(囊胞:のうほう)がたくさんできる病気です。早期発見できれば腎臓の負担を軽減できるため、超音波検査などを定期的に受けることをおすすめします。
おわりに
大きな身体にふさふさとした毛並みで人気が高いメインクーン。人懐こく優しい性格は魅力的ですね。ただし身体が大きいので、それに見合った生活スペースが確保できるよう注意が必要です。長く一緒に暮らせるよう、特有の病気に関する知識を頭に入れるなど、しっかりと準備してから迎え入れてあげてくださいね。
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