高齢のミニチュアダックスが注意するべき病気
人気犬種であるミニチュアダックスは、10年以上前から人気ランキングの上位にいたため、近年では長寿で高齢になっているケースがとても多いです。
ミニチュアダックスは食欲が旺盛で、人懐こく、検査や治療も受け入れてくれることが多いために、病気の早期発見、早期治療も可能であることが大きな要因でしょう。
長寿であるために、17歳〜20歳になるミニチュアダックスも増えてきていますね。
長寿であるがゆえに、慢性時不全や加齢性の関節炎の持病がでることも多いです。
この記事では、長生きのミニチュアダックスに多い慢性腎臓病と関節炎について解説します。
愛犬ミニチュアダックスを長寿にするためにできること
ミニチュアダックスの多くが、食べ物が大好き!という性格が多く、治療食への変更も難しくないために、健康寿命が伸びているのかもしれません。
また、酷く攻撃的な性格のミニチュアダックスも少なく、検査や治療にとても協力的です。
そのために、見つかりにくい病気も早めに見つかり、治療もスムーズに勧めることが出来るのでしょう。
更には、家での飲み薬も嫌がらず飲んでくれることが多いため、内科治療の継続と成功の確率はかなり高いです。
つまり、愛犬を長寿にするには、症状がないうちからの健康診断や、適切な食事、指示通りの投薬が大切ということです。
<愛犬を長寿にするポイント>
- 7歳8歳からは症状がなくても健康診断を受ける
- 毎日の食事は総合栄養食を選び、持病が見つかれば治療食に切り替える
- 獣医師から出されたお薬は指示通りに飲ませる
- 何か変と感じたらすぐに受診する
- 太らせすぎない
病院にくるだけで、帰宅後に下痢になるという繊細な犬も時々いますが、ミニチュアダックスではその性格であることは少ないので、何か気になることがあればすぐに受診しましょう。
高齢のミニチュアダックスに多い病気
高齢になってでてくる病気の代表は慢性腎臓病と関節炎です。
慢性腎臓病は高齢であればどの犬でも持っている可能性があります。
また、ミニチュアダックスで気を付けたいのは関節炎でしょう。
胴が長く、椎間板ヘルニアになったことのあるミニチュアダックスも多くいるのではないでしょうか?
背骨も脊椎という骨が連なった関節の連続ですので、高齢になると筋肉の低下もあり関節が不安定になってきます。
すると脊椎も関節炎が多発し、椎間板が飛び出てヘルニアになり、神経を圧迫するという事態になります。
高齢ミニチュアダックスの関節炎と椎間板ヘルニアの予防
関節炎と椎間板ヘルニアの予防に大切なのは、肥満にならないことです。
しかし高齢になってくると、持病などもあって逆に体重が減ってきてしまうことも。
そのため、若い時は肥満にならないように低カロリーのフードを選んで頂くことが大切ですが、高齢になって持病を持っている時には体重が減らないように気を付ける必要があります。
また、階段の上り下りやソファへ飛び乗るなどの上下運動も関節に負担がかかるので止めましょう。
高齢になると、犬でも階段からの転落事故が増えてきます。
転落防止のために、階段の上下にゲートを付けてもらうことをお勧めしています。
若い時でも、椎間板ヘルニアになるリスクが増えますので階段の上り下りは人が抱っこしてあげましょう。
長寿を目指すミニチュアダックスにお勧めの健康診断
いつもの生活で何も変化が無くても、実は体の中で病気が進行していることがあります。
15歳を超えるミニチュアダックスでは、持病などを早期に発見して、重症にならないように治療しているために、さらに寿命を伸ばしていることが多いです。
ここではお勧めの健康診断について説明します。
<健康診断の項目>
- 血液検査(一般的なもの)
- 血液検査(甲状腺ホルモン)
- 血液検査(SDMA)
- 歯科検診
- レントゲン検査
- 尿検査
- 便検査
高齢のミニチュアダックスでは、甲状腺ホルモンとSDMAを見てもらうのもお勧めです。
甲状腺は長生きホルモンとも言われるため、低下していたら補う必要があります。
SDMAは早期腎不全の指標であるため、慢性腎臓病の早期発見と早期治療につながります。
人の健康診断と違うところは、歯科検診です。
動物たちは歯医者さんに行かないので、歯周病を患っていることがとても多いです。
特に、歯を磨いていない中齢(5歳6歳あたり)のミニチュアダックスでは歯石がしっかりと蓄積し、歯石の下では歯肉炎と歯周病が重度になっています。
歯周病は人と同様に犬でも健康寿命を左右する重要な病気です。
ミニチュアダックスでは高齢になって全顎抜歯(ぜんがくばっし)するケースも多く、酷い歯周病になりやすいので、要注意。
健康診断では歯科検診もしてもらって、その他の検査結果と判断して歯石除去や抜歯処置が必要かどうかを見てもらいましょう。
高齢のミニチュアダックスにおすすめのフード
高齢のミニチュアダックスに多い慢性腎臓病と関節炎をケアできるフードにヒルズ社の「k/d +モビリティ 」があります。
■犬用 腎臓ケア【k/d】 +モビリティ チキン
【引用】松波動物メディカル
こちらは、慢性腎臓病にとって大切なたんぱく質やリン濃度の調節がされており、高齢になって筋肉の低下が進みやすい犬にとって大切な良質のアミノ酸が含まれています。
また、慢性腎臓病ではお腹の調子が不安定になることも多いのですが、それを予防するために腸内細菌をコントロールできるように配慮されているのも良い点です。
ただ、どれだけ良いフードであっても本人(本犬)が喜んで食べてくれなくては意味がありません。
そのため、まずは好みにあっているかどうかをサンプルフードを活用して確かめてみましょう。
まとめ
本記事では、ミニチュアダックスが高齢になるにつれて注意するべき病気やケガ、その予防について解説してきました。
育てやすく、長生きなので一緒にいるととても幸せな気持ちにしてくれるミニチュアダックスですが、注意してみておかないといけないポイントも多いのでしっかり飼い主は把握しておくことが大切です。
また、おすすめフードも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
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