ミニチュアシュナウザーは若くても健康診断を受けよう!
ミニチュアシュナウザーは尿路結石ができやすい犬種で、さらに高脂血症や胆泥症、肝臓の値も高くなりやすい特性があります。
そのため、通常では高齢期にお勧めされる健康診断も、ミニチュアシュナウザーであれば3歳や4歳あたりから受けていただくことがお勧めです。
さらに皮膚が繊細なミニチュアシュナウザーも多いので、皮膚炎についても注意点を知っておきましょう。
この記事では、若いミニチュアシュナウザーに必要な健康診断の検査と気を付けるべき病気について解説します。
ミニチュアシュナウザーに多い病気とは
ミニチュアシュナウザーに多い病気として日常の診察で見られるのは、尿路結石、高脂血症、肝酵素の上昇、皮膚炎などです。高齢になると心臓病なども出てくることがあります。
生活習慣や加齢性ではなく、ミニチュアシュナウザーの体質によって出てくるのが尿路結石や高脂血症、皮膚炎で、これらは若くても問題が出てくることがあるので十分に注意が必要です。
しかし症状がはっきりと解るのは病気が進行してからのため、できれば症状が軽度なうちに、発見して対処をしておくことがお勧めされます。
無症状では病気の発症には気づくことができないので、ミニチュアシュナウザーは若い時から健康診断を受けることが大切なのです。
若いミニチュアシュナウザーに必要な検査とは
<若いミニチュアシュナウザーに大切な健康診断の検査>
・尿検査
・血液検査
・身体検査
若いミニチュアシュナウザーに大切な検査の一つ目は尿検査です。
新鮮であればあるほど良いので、排泄したばかりのおしっこを病院に持って行って、検査をしてもらいましょう。
もし採尿が難しいということであれば、動物病院でおしっこを採ってもらうことも可能です。
ただ、病院での採尿は、細いカテーテルを尿道口から膀胱まで通すか、膀胱穿刺といってお腹側から針を刺して膀胱から直接尿をとってくる方法になります。
どちらも軽度に痛みがあるので、できれば飼い主様が採尿できると良いです。
次にお勧めな検査は血液検査です。
体質的に多いのが高脂血症や肝酵素の上昇ですが、こちらもまったく見た目に変化などなく、症状が出ません。
そのため、血液検査で血液中のコレステロールやトリグリセリド、肝酵素を測定しなければなりません。
血液検査では、1回の採血でたくさんのことが解るのでメリットが多いですね。
身体検査もミニチュアシュナウザーでは大切な検査です。
耳に、赤みや垢、痒みなどが出ていないか、皮膚全体にも問題が出ていないのかをチェックしてもらいましょう。
ミニチュアシュナウザーの尿検査でわかること
尿検査では尿中に以下のようなものが出ていないかをみることができます。
・赤血球
・白血球
・細菌
・結晶
・細胞
・尿たんぱく
・尿糖
どれも正常な状態ではみられないもので、上記のものが尿中に出ている場合には何か問題が起きているというサインです。
特にミニチュアシュナウザーに多いのは結晶です。
尿中に結晶が出ている時には、膀胱結石や尿管結石、腎結石ができやすい状態と言えるのでさらなる検査に進みます。
ミニチュアシュナウザーの血液検査でわかること
血液検査では貧血がないか、肝臓や腎臓の負担はないか、栄養状態は悪くないか、炎症などはないか、など様々なことが分かります。
また、フィラリア予防薬の投与の前に、年に1回はフィラリア感染がないのかを血液検査で確認しなければいけませんが、その採血で得られた血で、健康診断項目も測定できます。
一般的な血液検査で測定される項目は以下の通りです。
・赤血球の数
・白血球の数
・蛋白質の濃度
・肝臓の値
・腎臓の値
・高脂血症の有無
このほかにも、特殊な検査ではホルモンの値や心臓の悪さをみる値もあります。
ミニチュアシュナウザーで多いのは、高脂血症や肝酵素の上昇です。
ミニチュアシュナウザーの尿路結石
尿検査で尿中に結晶が見つかった時にはどうしたら良いのでしょうか?
尿中に出る結晶で多いのは、シュウ酸カルシウム結晶と、リン酸アンモニウムマグネシウム結晶(ストルバイト結晶)です。
これらの結晶が出ている場合は、すでに体内で大きな塊となって膀胱結石や腎結石などが出来ていないか、レントゲン撮影や腹部エコー検査を追加で実施します。
通常は尿路感染症で細菌性の膀胱炎になっている時に尿路結石が出てしまうことが多いのですが、ミニチュアシュナウザーでは細菌感染などなくても体質的に尿路結石ができてしまうので、早期発見と早期予防、早期治療が大切です。
ミニチュアシュナウザーの高脂血症
ミニチュアシュナウザーは遺伝的な高脂血症になりやすい犬種です。
ただ人のように高脂血症だからといって、すぐに不健康や病気というわけではありませんし、高脂血症によって血管の病気が増えるというものでもありません。
ただ高脂血症があると膵炎になるリスクが少し高くなったり、尿蛋白が出やすくなる傾向はあるようです。
血液検査で高脂血症だけでなく、肝酵素の上昇がみられる時には追加で肝臓のエコー検査も受けることが多いです。
高脂血症で、肝臓の胆嚢(たんのう)に胆泥(たんでい)が溜まりやすい場合には、低脂肪の治療食へ変更したり、飲み薬がお勧めされることもあります。
ミニチュアシュナウザーの皮膚炎
ミニチュアシュナウザーは皮膚が繊細であることも多く、湿疹(しっしん)や膿皮小環(のうひしょうかん)が増えやすいです。
痒みも出るので、掻き壊してしまうと、さらに皮膚の状態は悪くなります。
耳も皮膚の一部ですので、ミニチュアシュナウザーは外耳炎も比較的多くみられます。
こちらも掻けば掻くほど悪化していきますので、耳から変な匂いがする、掻くそぶりが増えた、耳垢が多い、耳が赤いなど、気づいたらすぐに動物病院へ行きましょう。
ミニチュアシュナウザーの皮膚炎の多くは、細菌性やマラセチア性など、皮膚にいつもいるばい菌が増えてしまっていることが原因です。
そのため、まだ軽度なうちの治療法では消毒薬や塗り薬、全身の薬用シャンプーがメインとなります。
全身的に沢山の皮膚炎ができてしまって、本人も痒みが強くて辛いという場合には、飲み薬で抗菌薬や痒み止めが処方されます。
治療で良くなっても、必ず飲み薬はしっかりと飲み切るようにしましょう。
途中で獣医師の指示なく飲み薬を止めてはいけません。
基本的に皮膚炎も外耳炎も、何もしなければどんどん悪化していきます。
診察と治療は早ければ早いほど、治療の日数は短くなるので、様子見などせずに受診することが大切です。
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まとめ
ミニチュアシュナウザーは若くして尿路結石ができやすい犬種です。
また遺伝的な高脂血症であることも多いです。
このどちらも、外側からは何も変化がみられないことが多く、健康診断をして初めて発見されることが多いです。
そのため、通常であれば中高齢からお勧めされる健康診断でも、若いうちから受けて頂くのが良いでしょう。
特に尿路結石は、発見が遅くなると大きな膀胱結石や腎結石が出来ている可能性があるので、若いうちからの尿検査の実施が望ましいです。
稀に尿検査では何もないのに腎結石ができている症例もあるので、レントゲン検査や腹部エコー検査もお勧めです。
ミニチュアシュナウザーは皮膚も繊細で、皮膚炎や外耳炎になることも多いので、定期的に身体検査を受けてもらうのが良いでしょう。
掻く回数が増えた場合には悪化するまえに、すぐに受診するようにしましょう。
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