犬の熱中症は命にかかわる状態!特徴と予防について知ろう
犬の熱中症はふとした飼い主さんの気のゆるみから発生します。
30分ほどでも暑い環境にいれば、愛犬は熱中症になると知っておきましょう。
人と同様に犬も熱中症で命を落とすことがあります。
軽症であっても、後から腎不全など後遺症がでてしまうこともあり、大丈夫だろうという判断は非常に危険です。
この記事では、犬の熱中症について正しい知識と、予防、なってしまった時の対処法について解説します。
夏に向けて愛犬を暑さから守れるようにしましょう。
犬の熱中症とは
犬は人よりも熱中症になりやすいです。
犬は常に毛皮を着た状態で、しかも汗をかかないため、体の熱を下げる方法がハアハアと息をするだけなので、体温が上がりやすいためです。
人間も真夏に毛皮を着て、さらに汗を抑えたサウナスーツを着て、炎天下のなか道路に座ってみると、犬の気持ちが解るでしょう。
人と同様に熱中症は犬の命を脅かす大変な状態です。
体温が上がりすぎることによって、体を構成するたんぱく質が煮えてきてしまうような状態ですので、生きていくための体の機能がどんどん壊れていってしまいます。
そのため、肝臓や腎臓、肺、脳など、体の大切な臓器に対して、大きな負担がかかるために、手遅れになると亡くなってしまうことがあるのです。
また、当初には軽い症状だと思っていても、内臓の負担が治らないほどに進んでいるということもあるため、熱中症かもしれない、と思った時にはすぐに受診するようにしましょう。
犬の熱中症の症状
もし犬が熱中症になっていたら、どのような症状がでるのでしょうか?
代表的なものを以下に挙げておきます。
<犬の熱中症の症状>
- 運動をしていないのにハアハアしている
- 体を触ると暑い
- 白目や歯茎が赤い
- いつもと様子が違う
- だらだらと涎が出ている
- ぐったりしている
- 呼びかけに応じない
- 吐き気や下痢がでる
- 痙攣が出ている
- どこかから出血している
- 意識がない
上記の症状のうち、下にあるものほど命にかかわる状態にあります。
暑い環境になってしまっていて、愛犬が変に呼吸が荒いな、と思ったら熱中症を疑いましょう。
犬の熱中症の予防
熱中症はならないように予防することが何よりも大切です。
大切なことは、人の感覚をあてにせず、しっかりと温度計を見て数値を確認することです。
人は暑いと服を脱いだり、汗をかいたり、風にあたったりすることで、気づかない間に暑さを逃す対策をしてしまっているので、暑さがそれほどでもないと感じてしまいますが、気温がしっかりと高い、ということも多いのです。
また、犬は汗をかかないので扇風機や風通しなどは犬の熱中症の対策になりませんので、注意しましょう。
室温が25度を超えるなら、クーラーと温度計を使って室温を管理しなければなりません。
<熱中症予防に大切なこと>
- 室温は25度前後にする
- 温度計で室温を確認する
- 炎天下では外出しない
- 散歩は気温の低い早朝と夜にする
- 外出時には保冷剤も活用する
- 心臓や肺に問題がないか検査しておく
最後の、心臓や肺に問題があるかどうかは、実は熱中症で命を落とすかどうかの大切なポイントでもあります。
心臓病や気管が狭いなどの持病がある犬は、明らかに健康な犬よりも熱中症のダメージが大きくなりやすいので、暑さには十分に注意しましょう。
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熱中症になりやすい犬
体に熱を貯めこみやすい犬は、熱中症になりやすいために、室温も25度より低く設定する必要があります。
さらに、暑ければ外出も控えてもらった方が良いことも多いでしょう。
ではどのような犬が体に熱を貯めこみやすいのでしょうか?
<熱中症になりやすい犬>
- 太っている
- 短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、ブルドッグなど)
- 寒冷地の犬種(シベリアンハスキー、アラスカンマラミュート、サモエドなど)
- 咳をしやすい
- 高齢
- 持病がある
上記の条件の全てがそろっていなくても、一つでも当てはまれば熱中症のリスクは高くなります。
人間が大丈夫であっても、熱中症リスクの高い犬では大丈夫ではない、命を落とすということがありますので、暑いところには愛犬を連れて行かないようにしましょう。
熱中症になる落とし穴
こんな時に愛犬の熱中症が起きた!というケースを紹介していきます。
■お留守番させていた
朝の温度はそこまで暑くなかったのに、昼間の気温がぐんぐんあがり、飼い主さんが帰宅した時には部屋がものすごく暑い状態になっている、ということがあります。
帰宅時には犬が荒い息をしていてぐったりとしていて、熱中症になっているというものです。
梅雨あたりから気温は高くなりがちなので、必ず外出時にはクーラーをつけて犬をお留守番させましょう。
■一緒に買い物に出かけた
愛犬を真夏の買い物に同行させて、炎天下の駐車場で車を待っているうちに、熱中症になってしまったというケースもありました。
短時間であっても、炎天下ではすぐに熱中症になってしまうことがあるのです。
真夏では愛犬は買い物などに同行させずに、家のクーラーの効いた涼しい部屋で待機させるようにしましょう。
■夜の散歩で熱中症になった
夜であれば暑くないかと言えば、そんなこともありません。
たとえ夜であっても湿度が高く、道路も暑いままで気温も下がっていない熱帯夜は多くなってきています。
夜に散歩にいったら、帰宅後にはハアハアが止まらず様子がおかしいということで、夜間救急を受診したら熱中症と診断される犬もいます。
■雷で停電してしまって、クーラーが停止していた
猛暑によって、急激に雨雲が発達して、雷が発生することがあります。
それによって停電がおきてしまうと、クーラーの機種によっては電気が復旧してもスイッチが切れたままになることがあります。
すると、飼い主さんが仕事から帰宅した時にはクーラーが停止しており、部屋が高温になっていて、愛犬が熱中症で様子がおかしくなっていた、という事態が発生しています。
できれば、ペットカメラなどを設置しておいて、室温が見えるように温度計をカメラの視野の範囲におき、外出時でも部屋の温度がわかるようにしておきましょう。
また、停電後にクーラーがどのような動きをするのか、スマホから遠隔でもスイッチが入れられるのか、などを確認しておけると安心です。
やはり高齢で持病がある犬であればあるほど、熱中症で命を落とす確率が高くなります。
愛犬が高齢で心臓病などある場合には、熱中症に対して十分に注意するようにしましょう。
犬が熱中症になってしまったら
暑い環境にいて、熱中症の症状が当てはまるぞ、という時にはどうしたら良いでしょうか?
まず大切なのは暑い環境から涼しい環境へ移動することです。
暑いところにいればどんどん状態が悪くなってしまいます。
涼しいところへ移動したら、濡れたタオルを体にかけ、風を当てます。
保冷剤があれば、タオルで巻いて首を冷やすと良いです。
そして動物病院へ連絡し、熱中症の可能性があることを伝え、受診が可能かどうか確認しましょう。
移動時にも涼しい環境にしなくては悪化してしまうので、クーラーの効いた車で病院まで向かいます。
自宅で体を冷やす時に、全身を水に漬けるなどすると、急激に体表の体温が冷えることになり、深部の体温がこもる可能性もあります。
また、逆に冷やし過ぎてしまうと、体温が急激に低下してしてしまって低体温になることもあります。
体を冷やすには深部体温を見ながら調節することが大切ですので、それは動物病院で処置してもらう方が安心です。
家で深部体温を見ずに体を積極的に冷やすのはやめていただいた方が良いでしょう。
まとめ
普段は注意していても、ふとした油断で愛犬が熱中症になってしまうことがあります。
夏は常に熱中症のリスクがあると知っておきましょう。
暑い日には外出は最低限に、外出するときはクーラーをかけた車が推奨されます。
もともと暑がりな犬種では、保冷剤を首に巻いて、暑さ対策をするのも良いです。
肥満気味の高齢犬で、持病がある場合には特に暑さに弱いので注意しましょう。
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