猫のさんぽの行方は?猫の習性が見え隠れする行動範囲とお出かけ先
飼い主とともにリードを用いておさんぽをする犬と違い、1人で自由におさんぽをすることに慣れている猫。そんな猫たちのお出かけは、一体どれくらいの行動範囲に及んでいるのか気になったことはありませんか?
今回は、習性が見え隠れする猫の行動範囲とお出かけ先、愛猫がいなくなったときに覚えておきたい探索のコツについてご紹介します。
意外と狭い!猫の行動範囲
猫が外へおさんぽに行きたがる理由は諸説ありますが、主に食事の確保のためや、子孫を残すパートナーを見つけるため、そして好奇心を満たすための3つの理由が有力だといわれています。
しかし、猫の行動範囲はそれほど広くはありません。
地面を走り、獲物を長時間追いかけて仕留める犬に対し、猫は本来、樹上の自分のテリトリーから素早く獲物を仕留める待ち伏せ型のハンターです。そのため、食料があるかぎりは行動範囲をあまり広く持たないという特徴があります。
それが証明されたのがイギリスで行われた、放し飼いの10匹の猫にGPSを付ける実験です。24時間自由にさせた10匹の猫が移動した距離をGPSで追いかけてみると、オス猫で平均100メートル前後、メス猫では80から40メートルほどの移動しか行いませんでした。面積にするとオス猫で3から2ヘクタール程度、メス猫で1ヘクタール前後という狭い範囲です。
しかし、猫の行動範囲は、そのエリアの食糧事情にも大きく左右されるため、家にごはんが用意されている飼い猫は行動範囲が狭く、野良猫は広くなる傾向にあるといえます。
愛猫がいなくなってしまったら?
そこまで行動範囲が広くない飼い猫ですが、しばしば猫は遠くまでおさんぽに行ってしまうこともあります。
原因は主に2つ考えられますが、そのうちの1つは発情期です。
メス猫の発情により起こるフェロモンに誘われ、オス猫も発情します。メス猫はそのフェロモンで多くのオス猫をひきつけ、あえてケンカが起こる状況を作り出します。そしてそのケンカで最も強いオス猫や、自分が気に入ったオス猫を選びます。
このとき、猫は発情のフェロモンに誘われ、いつものお出かけルートから大きく離れてしまうことがあります。
もう1つの原因は、不用意に他の猫のテリトリーに入ってしまい威嚇され、ケンカを避けるために逃げていたら、誤って家から遠い方向へ逃げてしまった場合です。
これはおさんぽやお出かけに不慣れな猫が起こしがちなトラブルです。こうなると自分では戻って来られないこともあります。
このような場合に備えて日ごろから猫のテリトリーを把握し、まずはテリトリー内の探索、次にテリトリー外の探索をすると良いでしょう。また、自由なおさんぽを許している場合は、鑑札や首輪などで飼い主がいることをはっきりさせることで行方を捜しやすくなります。
探索のすえに愛猫を見つけたら駆け寄りたくなりますが、少し我慢をしましょう。迷子によるショックで精神的に不安定になっていると、警戒心で逃げてしまうことがあるためです。
そんなときは、視線を低くして名前を呼んだり、大好きなおやつやごはんを与えたりすることで気を引きましょう。次に、近づいてきた猫に指先のにおいなどを確認させ、落ち着いてから保護し、ケージやネットに入れて移動します。
おわりに
猫の行動範囲は食料の有無に大きく左右されますが、本来木に登って獲物を待つ狩猟本能を持つ猫はごはんがあるかぎりそこまで遠くには出かけない習性があります。
しかし、発情やナワバリへの侵入などさまざまな理由で迷子になってしまうことも。普段から愛猫の行動範囲を把握しておくと、いざというときも探しやすくなります。もしも迷子になってしまったときは、お気に入りのおやつを持って探しに行きましょう。
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こんばんは。我が家の猫さんが脱走してしまい(7月17日の夜)、家の周りや近くを探してみましたが
見つからず、この子は元野良で知り合いから引き取って買った猫でした。
我が家に来て1年が経って、完全室内飼いにしていました。
ちょっとした窓の隙間から出て行ってしまい、1時間くらいして気づいた次第です。
戻ってきてくれたらと思いつつ、ショックを隠せずいます。