愛犬が抱き上げたらキャン!と鳴いたことはないですか? それは痛みのサインかも
愛犬をなにげなく、両脇に手を入れて抱き上げようとしたらキャン!!と鳴いたことはないでしょうか?
1回だけキャン!と鳴くこともあれば、キャンキャンキャン!と悲痛な様子で連続で鳴いたり、キャンキャン鳴きながら飼い主さんの手を噛むパターンもあります。
しかし床に愛犬を下せば、その後は特に変わったこともなくどこを触っても痛そうもない、本人もケロッとしている、歩き方も変ではないし、あれは何だったの?びっくりしただけ?と首をかしげる状況です。
しかも必ず抱き上げるときにキャン!というわけでもなく、1カ月に1回か2回あるかないか、ということも。
あの抱き上げたらキャン!と鳴く「抱きキャン」は、隠れた痛みがあるケースが多いので、思い当たる方はこの記事で確認してみましょう。
愛犬の抱きキャン
抱き上げるときに必ずキャン!と鳴くのではなく、時々鳴くことがある、という程度なので、だいたいの飼い主さんは「急に抱き上げたからびっくりしたのかな?と結論付けることが多いです。しかもだいたいの場合は、その後に何の異変もなく、いつも通りの動きをしている犬が多いので、なおのこと「たまたまかな?」と思われがちです。
確かに急に持ち上げられてびっくりしてキャン!と鳴くパターンもゼロではないのですが、多くは痛みに関連したキャン!だと考えられます。
ただし、キャン!ではなく、抱き上げるまえに手を脇に入れた時点で唸る(うなる)、「ゔゔゔうう~」となる場合は痛みではなく「気に入らないわ!噛むわよ!」という反応であることが多いです。
<愛犬の抱きキャン>
・いつもキャン!とはならない
・キャン!と言ったあとは普通
・びっくりしただけ?と思われがち
・抱き上げる前に唸るのは、抱きキャンではない
抱きキャンの原因は膵炎?
隠れた痛みの原因として代表的なのが、膵炎(すいえん)です。
膵臓(すいぞう)というお腹の上の方にある臓器が炎症を起こしていて、押されると痛みが出ます。
愛犬を抱き上げるときに、脇やお腹の上の方に手を入れて持ち上げる方が多いのではないでしょうか?
それ以外に抱き上げるのに調度良い場所はないので、だいたいがその場所を持つことになるでしょう。
すると、ちょうど膵臓の付近をぐっと押すことになるため、隠れた膵炎があると犬は痛いのです。
膵炎は急性膵炎(きゅうせいすいえん)と言って、吐き気や下痢、食欲不振、元気が無くなるというはっきりとした症状が出るものと、軽度な慢性膵炎(まんせいすいえん)のように「なんだか食欲が60%くらいで、いつもよりは食べないな、、、しかし元気もないわけじゃないし、、、、でもいつもと違うような」という、うっすらと体調が悪いようなそうでも無いような症状が出るものもあります。
もしそれまでに愛犬が膵炎と言われたことがあるのであれば、抱きキャンは膵炎の再発の最初のサインかもしれません。
その他の膵炎の症状が無くても、念のために受診することをお勧めします。
抱きキャンの原因は神経痛?
中高齢の犬で、抱き上げた時にキャン!と鳴く頻度が増えるようであれば、それは関節炎や神経への刺激による痛みが考えられます。
抱きキャンに多いのは背骨の中の神経に痛みが出る、椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)です。
背骨は、じつは関節がつらなっている構造なので、高齢になると背骨も関節炎が出やすくなります。
また構造的に背骨に負荷のかかりやすい胴長(どうなが)犬種のミニチュアダックスや、コーギー、そして背骨の構造に問題が出やすいパグやフレンチブルドッグ、シーズーなどは要注意です。
上記の犬種でなくても、トイプードルやパピヨンでも背骨の神経に問題が出るのはよく見かけます。
首に痛みが出る場合は、キャン!がより強い印象です。
通常の生活では背骨に負荷がかかっていないので、強い痛みは出ないものの、抱き上げるときに本人が気を抜いて筋肉に力が入っていない状態で持ち上げられると、背骨に負荷がかかってキャン!!と痛みがでるようです。
高齢の犬では、不意に後ろからサッと抱き上げるのではなく、背中を撫でて「抱っこするよ」と声掛けをしてからゆっくりと持ち上げましょう。
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抱きキャンで噛まれた!
あまりの痛みから抱き上げたその手に対して攻撃的になってしまう犬もいます。
その場合は、噛んだ後に犬も「あ!やっちゃった!」という顔をしていて、反省の色があります。
だいたいは、歯を当ててくるだけで、真剣には噛まれたりはしません。
問題になるのは、犬が不機嫌さから抱き上げを拒否するために、唸って(うなって)、触ってきた飼い主さんの手を噛むパターンです。
正確に言えば抱きキャンではなく、抱き上げる前に唸る、という状況です。
このパターンは怖がりで、よく吠えて、音に敏感であったりする若い犬に多いです。
もしかすると、抱き上げられた時に怖かった記憶や、何か痛かった記憶があって、抱き上げが嫌なのかもしれません。
逆に、「早く抱っこしてよ!」というイライラで噛む犬もいるくらいなので、必ずしも痛みで唸っている、ということでもないのが難しいところです。
念のために痛みなどが無いかを受診して確認するのは大切ですが、このタイプの怖がりで攻撃的になってしまう犬には、行動療法(こうどうりょうほう)と気持ちを落ち着かせるサプリメントや抗不安薬が必要であることが多いです。
「中高齢の犬の抱きキャン」と、「抱き上げる前に唸る若い犬」は別物、と知っておきましょう。
唸ることからエスカレートして、真剣に強く噛む犬になってしまう前に、治療を開始することが大切です。
抱きキャンにならないために
抱きキャンが見られたら、1回目はまだしも2回目があった時にはまず受診しましょう。
特に、以前に膵炎になったことがある犬や、高齢の犬では痛みに関連していることが多いためです。
受診して、大きな問題はない、となることも多いですが、その後の愛犬の様子を観察しておけると良いです。
膵炎だった犬では、かかりつけの先生に処方された療法食を与えるようにします。
その他に与えたいな、と思ったオヤツや缶詰、ふりかけなどがあれば、必ず担当医に確認してから与えるようにしましょう。
これは療法食以外を与えることで膵炎が再発することが多いためです。
中高齢の犬では、関節炎や神経痛によって抱きキャンが出ることがあるので、抱き上げる前には、声掛けをして本人(本犬)に抱き上げられる心の準備をさせるようにしましょう。
抱きキャンを経験したMダックスの飼い主さんは、背骨に負担がかからないようにと、抱き上げるときには、両脇ではなく、両前足の間から手を入れて胸を支え、おしりを逆の腕で支えて持ち上げていらっしゃいました。
これは確かに、背骨は床と平行のまま、両脇に手を入れたりもせず、良い抱き上げ方です。
犬の大きさや、飼い主さんの腕力によっては上手に抱き上げられないかもしれないですが、両脇に手を入れず、背骨が床と平行になる抱き上げ方を工夫してもらえると良いでしょう。
また、関節に負担がかかるために肥満にさせないことが大切です。
中高齢でウエストがない、背中が広い、顔が小さく見える、などの体系の変化が出てきたら、真剣に愛犬のフード量を計算し、減量できるようにしましょう。
まとめ
愛犬を抱き上げた時にキャン!と鳴いたということであれば、びっくりしたのかな?だけではなく、痛みが隠れているのかな?と思えるようにしましょう。
痛みの原因は様々ですが、中高齢では膵炎や関節炎、神経痛が多いです。
抱きキャン以外に症状が無くても、それは何かのサインであることが多いですから、まずは動物病院を受診しましょう。
そこで大きな問題が無かったとしても、肥満にならないように管理して、抱き上げ方も工夫が必要です。
若いころから抱き上げ前に唸るという症状は、本人のイライラからくる問題行動の一つかもしれません。
これも念のために痛みがないのかの確認のために、受診をしておきましょう。
問題行動であれば、それも治療対象となることがあります。
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