寝る子は育つ?子猫の睡眠時間が長い理由と猫の生活習慣
子猫を初めて飼ったという方は、1日のほとんどを寝て過ごしている姿を見て、もしかして具合が悪いのでは?と不安になることもあると思います。しかし、心配はありません。もともと猫は睡眠時間が長い動物なんです。今回は、子猫の睡眠時間が長い理由と猫の生活習慣をご紹介します。
子猫の睡眠時間はどのくらい?
1日のほとんどを寝て過ごすこともある子猫ですが、成猫と比べると睡眠時間はどのくらいなのでしょうか?
成猫の睡眠時間は、約12~14時間といわれています。子猫の場合は、離乳する前は母猫からミルクをもらう以外の時間は寝ていますが、離乳をしても約18~20時間寝ることがあるようです。成猫と子猫の睡眠時間は異なりますが、どちらも1日の3分の2は眠っていることになります。
しかし、長時間熟睡しているわけではありません。猫はほとんど「レム睡眠」という浅い眠りです。猫も人間と同じように「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」の2つがあります。人間の場合、レム睡眠が20%、ノンレム睡眠が80%ですが、猫はまったく正反対で、レム睡眠が80%、ノンレム睡眠が20%となります。成猫の睡眠時間が約14時間の場合、ノンレム睡眠なのは3時間程となります。
猫のレム睡眠とノンレム睡眠の見分け方は、手足をだらりと横にして眠っている場合は「レム睡眠」。うずくまるように寝ている場合は「ノンレム睡眠」だといわれています。
子猫の睡眠時間はなぜ長いの?
子猫の睡眠時間は約20時間ですが、なぜこんなに長く眠る必要があるのでしょうか?
その理由の1つは、野生時代の名残だといわれています。これは猫に限らずさまざまな動物にも共通することです。野生の動物は、自ら狩りをして獲物を捕まえて食事をします。狩りの際には、集中力、走力などの能力を使用するため、たくさんの体力が必要になります。そのため、いざというときに力がなくならないように、日頃から寝て過ごし、体力を温存しているといわれています。
もう1つの理由は、身体を成長させるためです。寝る子は育つという言葉の通りに、眠ることで成長ホルモンが分泌され、子猫を成長させます。
寝ているとき以外の猫の生活習慣
寝ている時間が多い猫ですが、起きているときはどのような生活を送っているのでしょうか?
基本猫は夜行性のため、朝方や夕方、夜に活発に活動します。特にこの時間は、突然部屋の中を走り回ったり、何もない空間を見つめてジャンプしたりする「真空行動」を起こすことがあります。真空行動とは、本来狩りをするために寝てエネルギーをためている猫ですが、家猫は狩りをする必要がないため、エネルギーを使う機会がありません。そのため、部屋の中を暴れ回るなどして、エネルギーを発散させています。この行動は長続きせず、数分程度で治まることがほとんどです。しかし、これはケガの原因にもなるため、定期的に飼い主が一緒に遊ぶことでエネルギーを発散させてあげましょう。
また猫は起きている時間の半分を「グルーミング」に費やしています。グルーミングとは毛づくろいのことで、猫の基本習慣の1つです。このグルーミングには、身体をキレイにする以外にもさまざまな意味があります。
その1つがストレスを解消させるためです。猫はストレスを感じたときにグルーミングをすることで、心を安定させることができます。その理由は、赤ちゃんのときに母猫にグルーミングしてもらうことで安心感を得た経験によるものだといわれています。
また、グルーミングには体温調節の意味もあります。猫は人間と違い暑くても汗を流して温度調節を行うことができません。そのため、グルーミングをした際にでる唾液の気化熱を利用して、体温を調節しています。
おわりに
子猫が長時間眠るのは、猫の本能が関係しています。そのため無理に睡眠時間を制限してしまうと、ストレスを感じてしまう可能性があるため、なるべく子猫の自由に寝かせてあげてください。
しかし、ただ寝ているだけでは体にエネルギーがたまってしまうため、子猫が起きているときには一緒に遊んで体を動かすようにしましょう。一緒に遊ぶことは、子猫の身体や神経の発達を促したり、環境に慣れさせたりすることもできます。ぜひ子猫とたくさん遊んでコミュニケーションをとってください。
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